後田工務所が設計と施工を手がけ、いわき家ナビ初登場となる「ゼロエネルギー住宅」が完成です。国内基準を大きく上回るQ値1.1W/㎡Kという申し分ない断熱性能、ギリギリまで高めた省エネ性能に加え、家族の団らんを作り出すピットリビングによって心地よい居住空間を作り出しました。いわきの家、ゼロエネ新時代へ。


ゼロエネルギー住宅とは、「省エネ&創エネ効果」によって、住まいの年間「一次エネルギー消費量」が「差し引きゼロ」になる家のこと。断熱材や高性能エアコンなどによってそもそも家が消費するエネルギーを抑え、太陽光発電などでエネルギーを創り、それらを効率よく利用していくことで実現される住宅のことを指します。

今回紹介するゼロエネ住宅では、内壁、外壁、天井、床下それぞれに高性能断熱材を使用したうえで、窓にはトリプルサッシ、さらに、断熱先進国ドイツなどで採用されている「熱交換換気システム」を導入するなど徹底したこだわり。遮光スクリーンをリビングの外側に設置して気温上昇を防ぐなど、小さな工夫も随所にこらされています。

断熱性能を示す「Q値(熱損失係数)」は、北海道基準の1.6W/㎡Kを大きく上回る1.1W/㎡Kを実現。極力エネルギーを使わない省エネ性能の高い家になりました。この性能により、屋根に設置した太陽光発電は小型の4kw。「できるだけ家を身軽に」という設計者、後田哲男さんの哲学が貫かれています。

機能だけでなく設計にもアイデアが。リビングは、周囲よりも一段下がった「ピットリビング」を採用。一段下がることでテリトリーを分け、適度な「おこもり感」ができました。下げた段差の部分が椅子代わりになり、みんながここに座って団欒。青い絨毯は足腰にも優しく、ゴロンと横になることもできます。

「キッチンとリビングをあまり近づけたくない」という奥様のリクエストもあり、距離は少し離したものの、キッチンとリビングを繋げる裏動線を作ったことでキッチンの孤立を防いでいます。裏動線には旦那さまの書斎スペースも。リビング側からは壁で見えないので、家族の団らんを横切らずに済みます。

敷地が縦長で広々とした空間を作りにくい条件でしたが、敢えて縦長を強調する角材を天井にあしらい、奥行きのある空間を演出。住む人が知らず知らずのうちに居心地のよさを感じてしまう、そんな機能とデザインが凝縮されています。家のあちこちに「後田哲学」が隠されたゼロエネ住宅。秋には市内の別の場所にモデルハウスも完成予定。その居住性の高さを体感できそうです1写真右側が裏動線。書斎スペースを抜け、キッチン、お風呂場などへ通る。キッチンとの適度な距離感を保ちつつ孤立を防ぎます。

3青い絨毯が美しいピットリビング。周囲より一段下がっているため、その段差のところに腰を下ろせます。自然と人の輪が出来る仕掛け。

16sピットリビングとなりの和室は、フルオープン可能の障子を閉めればプライベートな空間に。

17s和室はカーテンではなく断熱性能の高いハニカムブラインドを採用。ハニカム構造の空気層が高い断熱効果を発揮して室温を保ちます。

8s南北に伸びる天井に角材をあしらったことでスペースの奥行き感アップ。部屋を広く見せてくれます。

4キッチンから玄関方向を見たところ。左手が和室とピットリビング、右手が階段と水回り。

9s玄関奥にはさまざまなものがしまえる土間収納が。また、玄関から室内が丸見えにならないよう、玄関から入ってすぐのところに棚をしつらえ、角材を並べて配置することで、アイストップの役割を持たせています。

10sたっぷりとした土間収納のスペース。日用品をしまう納戸としての機能も備えられています。

11s白を基調にしたデザインの脱衣場。朝に人が集まっても混雑しないよう、奥行きがコンパクトな洗面台を採用。この「数センチ」が人の動きの無意識の快適性を生み出します。

5s2階の子供部屋。シンプルでミニマルな設計。パステルカラーの壁は居室ごとに変えています。

7s通り側から玄関を見ると、スクエアのモダンな外観。モノトーンで空間がピリっと引き締まります。

6sお庭から見るとこのように段差のあるデザインになっています。軒下からは日差しを遮る黒いロールスクリーンを。これ1つで夏場の室内温度の上昇を防ぎます。


建築データ
所在地:福島県いわき市
家族構成:夫婦+子供2人
延床面積:125.87㎡(38.14坪)
敷地面積:268.97㎡(81.51坪)
竣工:平成27年4月
設計:(株)後田工務所
施工:(株)後田工務所
構造形式:木造軸組構造
主な外部仕上:屋根)ガルバリウム鋼板
外壁)金属製サイディング張・防火サイディング張+スタッコフレックス塗装
主な内部仕上:天井・壁)珪藻土クロス貼り 床)ホワイトオークフローリング(1F)・無垢パインフローリング(2F)