いわき市平菅波におよそ1300年前より鎮座する大國魂神社本殿の改修工事にあたり、本殿の御宮を一時的に移設する場所として仮殿の新築が行われることになりました。本殿の工事中は、仮殿を仮官としてご祈祷を行います。本殿の改修工事が終了後は、年始の初詣時の待機所やお祭り時の作業場所等になる予定です。

施工は今まで神社境内建物建設に長年携わってきた守和住建。設計は本殿の解体調査にも関わった環デザイン舎と守和住建です。守和住建は、伝統的な工法で継手仕口を手刻みし、建て方ができる技術力があります。今回も棟梁こだわりの太鼓梁で小屋組を組みあげました。

建物の外観は拝殿や本殿、神楽殿とも調和するよう、真壁で庇を大きく出した和のつくりをしています。屋根は銅板ぶきで将来的には他の建物と同じような緑色になる予定です。外壁は漆喰壁と杉板壁。内壁は竹の練り込まれた和紙と杉板張り、板の間はあつ密杉を使用。将来的には主に倉庫や待合等として使用されますが、すべて自然素材で仕上げ、鎮守の森に静かに調和する仮殿となりました。36鎮守の森の本殿横に建築。e1
建てたばかりなので銅板の屋根が輝いています。
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仮殿は板の間に御宮を設置し、土間に参拝者が30~40名入れるスペースとなっています。j1御宮へのライティングがよく、音の響きもよいので参拝者に好評でしたと宮司さんより。
35杉の窓枠のせいでしょうか、内部はどことなく昔の小学校の木の校舎のような懐かしさが感じられました。この建物の建具は、以前神社の境内で伐採した杉を板にして守和住建で保管していたものを利用しています。
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庇を伸ばし建物と訪れる人を雨風から守ります。

42「住宅は断熱性能確保が当たり前の時代ですので窓はペアガラス以上しか使ったことがありませんでした。今回は待合や倉庫なので断熱材を使っていないので、建具に初めてシングルガラスを使うことにドキドキでした。」と北瀬さん。


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大國魂神社は養老2(718)年以前の創建。いわき市内最古の歴史のある神社です。
解体、調査を含め2年の歳月をかけ本殿が建てなおされました。昔の姿を再現したベンガラ塗りの朱が荘厳です。この度完成し、2月11日(木)15:00〜に竣工奉告祭が執り行われます。どなたでも拝観できるそうです。

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銅板で葺いた屋根は時とともに緑錆(ろくしょう)がつき青緑色に変わってゆきます。
緑錆は銅板の表面に皮膜を作り内部の腐食を防ぐ効果や抗菌力があります。昔から社寺建築の屋根には銅板が使われています。奥の権殿はまだ銅色ですが、手前の社は綺麗な緑青色に変わっています。
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余談:境内で祭事用に放し飼い(!)にされていた会津地鶏。こちらの尻尾の色も綺麗な緑錆色でした。