海を臨む高台に新しく家を建築されたM様ご一家。当初、予算のことも考えて二階建ての二世帯住宅を考えていましたが、敷地が広く、青い空が気持ちの良い高台のどかなロケーションであることから、二階建てよりもできるだけ高さを抑えた建物のほうがこの敷地にはふさわしいと提案し、平屋となりました。
親世帯と子世帯はそれぞれに玄関や水回りがあり完全分離型ですが、敷地が十分にあったので平屋のコの字型のプランニングとし、日当たりの確保がしやすく外出のしやすい南側は親世帯に、中庭を挟んで北側に子世帯を配置しています。

特に子世帯は、景色の良い西側に大きな開口を設け、天井をリビングからダイニングにかけてメガホン状に高くして外に向かって広がる空間を演出しつつ、中庭に面したリビングの壁は大きくアルコーブ(壁面の一部をくぼませてつくった空間)をしつらえ、落ち着ける空間になるように工夫しています。アルコーブはソファーとして子どもたちの格好の遊び場になっており、下部はキャスター付きの収納になっているのでおもちゃなどもすぐに片付きます。

奥様の要望は料理に集中できる独立型のキッチン。篭ってしまいがちですが、2方向に出入り口がある行き止まりのない回遊動線になっているので、使い勝手よく、家族の気配も感じることができます。またキッチン→サニタリー→収納→寝室を繋げ理想的な家事動線を実現。リビングダイニングとプライベートを上手に分けました。

長期優良住宅の認定も取得し、断熱性能はUA値0.42W/㎡・K、北海道クラスを超えた仕様。夏の日射熱対策に外付けブラインドや外付けロールスクリーンも設置することで、快適性と省エネを高いレベルで実現した住まいとなりました。冬は暖かく、夏は熱溜まりを抑えた設計で涼しく、後田工務所一番の腕の見せ所です。高齢の親世帯も寒さを感じることなく冬を過ごせてとても快適だったとのこと。寒暖差が少なく高齢者にも優しい2世帯住宅です。

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リビングダイニング全体。左側に中庭。大きな窓と吹き抜けがあっても断熱性能が高いので家の中は温度差がなく快適。
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アルコーブにはナラ材を。下部はキャスター付きの大型収納ボックス。遊び道具もあっという間に片付けられお母さんも安心。
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屋根の上に出られるようにハシゴと出入り口を設置。こちらも子どもたちのお気に入り。
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外付け電動ブラインドを閉めたところ。夏場の室内の温度上昇を防ぐ重要ポイント。

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右手はご主人用の小部屋。左右に棚を設置し中央に机。小さいながら全てに手が届く便利さ。

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ダイニング生活感を出したくないとのことであえて分離させたキッチン。収納も食料庫も充実。
2箇所の出入り口で使い勝手も抜群。料理に集中して腕を発揮できます。D7H_4423
キッチンの真後ろ、ダイニング側にカラトリーなど小物をしまえる引き出しを仕込んでいます。
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キッチンから続くサニタリー、その奥は収納、そして寝室と考えぬかれた回遊動線。

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サニタリー、収納から続く主寝室。この流れは本当に使い勝手良さそう。
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左手が玄関とトイレ。帰ってすぐ手が洗えるように手洗い場。
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玄関からリビング方向。右手はファミリー玄関。
3子供部屋は2つ。シナベニヤ、OSBボードでコストを抑えながら色で遊びを。
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親世帯の二間続きの和室。こちらもサニタリー、クローゼット、寝室を繋げ少ない移動でコンパクトな暮らしを。朝1時間暖房すれば一日暖かいとのこと。
15平屋コの字型の外観。南面(左側)が親世帯、右側が子世帯。全ての南面のサッシ前には日よけのオーニングを設置、暖かさだけではなく夏場の過ごしやすさも設計に入れ込みます。


建築データ
所在地:福島県いわき市
家族構成:6人家族(ご夫婦、子ども2人、両親)
延床面積:191.39㎡(57.9坪)
敷地面積:542㎡(164.2坪)
竣工:平成27年12月
設計:(株)後田工務所(担当 後田哲男 森山遥花)
施工:(株)後田工務所
構造形式:木造軸組構造
主な外部仕上:屋根)ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
外壁)ガルバリウム鋼板サイディング貼り
主な内部仕上:天井・壁)ビニールクロス貼り一部ナラパネル貼り
床)ナラ一部パインフローリング張貼り