今回はご病気で身体が不自由になられたお父様をご家族が介護するお住まいです。
建主様は明るく介護出来るように、見た目にも素肌にも優しい自然素材をたくさん使った家にしたいと江尻建築に相談することにしました。江尻建築ではまずお父様ができるだけ快適に生活ができ、家族が介助がしやすい間取りを提案。生活の中心となるリビングの隣にお父様の居室をしつらえ、すぐ近くにトイレも設け、いつでも目が届くようにしました。家の中だけでなく敷地全体をバリアフリーとし、玄関ポーチには緩やかなスロープと、その上部には大きな庇で車での移動時も雨に濡れないようにしています。

リビングの小上りは、ちょっとゴロンとしたりくつろいでテレビを見るには最適なポジションとのこと。小さな段差は障壁になりますが、小上りは足腰への負担も少なく楽に移動できます。
床は桧、壁は漆喰、天井は土佐和紙と自然素材たっぷりの温かい空間に「仕事が忙しくても、この家に帰ってくるとホッとするんです。」と娘さん。

家族の家事の負担を極力減らすため、キッチンの後ろに洗濯機スペースや、室内洗濯物干しスペースも設けています。家族のマスコットの愛猫が自由に行動できるよう1階から2階まで専用小窓が各所につくられており、気ままな猫の本領を存分に発揮しています。

介護が苦にならないよう、家族が使いやすく明るくほっと出来るよう、江尻建築が介護を考えた自然素材の家です。

1和モダンな佇まいの外観。玄関の前に緩やかなスロープと大きな庇を設け移動時に雨に濡れないように。11玄関には靴の着脱をスムーズに行えるようベンチシートを(右側)。2真壁造りの広々リビングダイニングキッチン。木の温もりが伝わってくる室内装。床は桧、天井は杉。3
リビングと繋がるお父様の部屋。襖戸があるので、臨機応変に開閉しお互いのプライバシーも守ります。4キッチンから見守れるのでお互い安心。
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お気に入りの小上りスペース。ちょっと座ったりゴロンとしたり。
下部は収納になっているので便利。6キッチンボードは、使う方の身長などを考慮して江尻建築の大工さんが手づくり。
家電やゴミ箱など出来る限り収納したいというご要望も叶えました。手前の扉は洗濯機スペースです。

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バリアフリーのトイレは洗面化粧台とつなげて、軽い洗い物など下洗いも出来るように。8
2階の個室。日当たりもよくこちらも木の香りに満ちています。
小屋組を現しにしてダイナミックな木構造を堪能します。
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2階和室。桐箪笥専用置き場も設置。腰窓の上の棚、ハンガー掛けなどちょっとした物置きスペースが嬉しい。
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階段を上がった所に室内洗濯物干しスペース。猫用爪とぎも大工さんが作りました。

■江尻茂樹社長より
震災により建物が大規模半壊となり、建て替えをご検討中のところ、3年前にお父様が脳梗塞で倒れられ、介護の行いやすい間取り、ペットの猫と一緒に生活を楽しめる間取りというご要望を頂きました。
日々の介護やリハビリのデイサービス、ドアを閉めても猫が家中を自由に歩けるようにと何回も何回も打ち合わせを重ねました。
お施主様から「仕事から帰って、家に帰るとホッとする。自然素材に心が癒やされる感じがします。」という言葉をいただけて、とても嬉しかったです。
お仕事と介護と大変かと思いますが、少しでも私どもの仕事で安らいでいただければ幸いです。

 


建築データ
所在地:いわき市
延床面積:111.34㎡(33.7坪) 1階63.76㎡/2階47.58㎡
敷地面積:233.71㎡(70.1坪)
竣工:平成28年3月
設計:(有)江尻建築設計事務所
施工:(有)江尻建築
構造形式:木造軸組在来工法
主な外部仕上:屋根)和型陶器瓦 外壁)防火サイディング弾性リシン吹き付け
主な内部仕上:天井)土佐和紙、杉無垢板貼り
壁)漆喰塗り、杉無垢板貼り
床)ヒノキ無垢板張り自然塗装仕上げ ペット対応耐水フロアー