2家づくりのプランニングで、吹き抜け、間仕切り無し、連続する部屋、ワンルームなども要望が増えています。解放感が得られることや、コストダウンにもつながるデザインです。しかし、冬の寒さや夏の暑さは大丈夫でしょうか?家づくりを考えている時期の季節に左右されることも結構あります。寒い冬に家づくりをしていると、断熱性能UPの話は進みやすいのですが、中間期だと、窓を開けて風が流れ開放感ある住まいづくりのイメージが強くなったりします。

住まいの基本的な断熱性能が弱いと、吹き抜けや間仕切りなしのプランにした場合、冬寒い!となることもあります。プランを考える際に気をつけておきたい、効率よく熱を仕切る断熱エリアの考え方を紹介します。

1.断熱する部屋を決めて仕切る

断熱をしっかりしても、断熱自体が熱を生み出すわけではありません。冷暖房機や太陽熱などがなければ室内の温度は変わりません。だから、冷暖房機がある部屋や日常的に滞在率が高い部屋は冷暖房機を効率的に利用することも考え、部屋を仕切るということを考えてください。特に1、2階間は仕切ることがおすすめです。断熱性能が低いと、冬であれば暖かい熱が上に行ってしまい、下が寒いとなってしまいます。逆に1、2階を一体としたいときは、一緒に断熱性能も高めることを考えてください。

平面的には、冷暖房機の設置部屋とその他の部屋のつながり方を考えることが、冷暖房を効率的に使うことにつながります。主となるリビングダイニングキッチンと廊下や玄関、水回りを仕切るかどうかも考えながらプランニングすることを考えてみてください。

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平面的な仕切り方の考え方の前回のコラムで紹介した35坪モデルで実際で考え方を紹介します。

・1Fのリビングダイニングキッチンと畳の間を一体の部屋としています。そうすることで、冷暖房機1台で冷暖房できます。水回りや廊下とは建具で仕切っています。

・洗面脱衣室などは、排気の換気扇を設置することで、リビング側からの空気を外へ排出するので、室温がリビング側に近くなります。

・1Fと2Fは建具や壁で仕切ります。しかし、中間期等には、内部建具やサッシを開けることで、平面的、断面的に空気が流れるようになっています。

プランを見ながら考えると当り前なことが多いです。しかし、1Fと2Fが何となくそのままつながっているプランも多々あるので、ご紹介しました。

 

2.仕切る建具を考える
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「仕切る」とは、壁をつくるか建具を設置することになります。開放的なプランニングにしながらも建具、仕切りラインを意識することが大切です。特に、建具は、引き戸にすることで壁と一体的なデザインにでき、壁内に収めることもできるのでお勧めです。引き戸の高さを天井までの高さのデザインとすると、引き戸の開閉により部屋の一体感の演出も行いやすいのが利点です。

 

3.仕切るエリアリフォーム
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リフォームでは、家全体をリフォームする方法もありますが、滞在率の高い部屋などを仕切り、部屋の周りを断熱ラインとする、「仕切るエリアリフォーム」という考え方もあります。古くて寒い家を予算内で温かくしたい場合におすすめです。特に、台所、お風呂、洗面所、便所などの設備的な劣化が早い部分を一体的に新しくする時に、ダイニングやリビングととともに断熱リフォームすることが快適性の向上へつながります。

写真と図は、水回りと食堂を断熱リフォームした例です。食堂とリビングの間や廊下の間の壁に断熱材を入れています。住まい手さんや工務店さんから、「同じ室内同士なのだから、間仕切り壁には断熱材いらないのではないか?」と言われることがあります。その時には、断熱ラインは連続させることをご理解いただくことが重要になります。

 

4.断熱住宅へ実際に住んでみると

断熱された住宅になると、冷暖房の効きがよくなり、冬の寒さや夏の暑さがコントロールでき快適な室内になります。断熱をしっかりした住宅では、エアコンの効きがよくなり、冷暖房時に底冷え感がないという状態は共通であります。その他で各家の特性に応じた、断熱化した住まい手さんからの住まい方やコメントを紹介します。

1)壁は165㎜の断熱住宅で素足生活
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壁に120ミリの断熱の外側へ45ミリの付加断熱した住宅の住まい手さんは、70代。竣工後の2月でもエアコン1台で快適に生活されており、あつ密杉フローリングの床を素足で生活されていることに驚きました。布団も冬用に使っていた布団では暑いため、薄い布団を使われているとのことでした。

2)エリア断熱リフォームで集いの場
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ダイニングキッチンと水回りを断熱リフォームした住まいでは、今まで薄暗く寒いダイニングには食事時しか家族は集まりませんでした。リフォーム後は家の中で最も冬は暖かい部屋になったので、日常的にみんなが集える部屋になり良かったとコメントいただいています。

断熱性能が高まると意識も変わり、断熱している部屋としていない部屋の温度差を記録して変化を実感したり、来客へ断熱の魅力を語ることが増えたりもされています。


3回に分けて、住まいの断熱を考えるコツをお伝えしてきました。断熱性能は、住まいの快適性能アップの基礎となります。また、様々な設備機器の効率を高めることにもなり、光熱費削減にもつながります。断熱の効果を発揮させるには、きちんとした施工も必要です。ぜひ、家づくり・リフォームの際には、「断熱」も「好き」の一つとして取り組んでいただけたらと思います。

環デザイン舎 北瀬幹哉

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