vol.4 「お金のこと」はお早めに

家づくりを考え始めると、やっぱり気になるのがお金の問題。一体いくらくらいかかるのか、ローンは何年くらいかかるのか、月々の支払いや税金も心配だし、周りの人たちがどのくらいかけているかなど、周囲の動向も気になってしまいます。自分ではなかなか判断がつかないものなので、不安になってしまいますよね。

家づくりを考えたら、業者さんを訪れる前に、しっかりと予算規模を考えておくほうがいいです。実は私、家づくりをお願いする業者さんが決まって、最初の見積もりを出して頂くまで、お金のことを超ざっくりとしか考えていなかったんです。業者さんが見つかったことで安堵してしまって、考えるのを忘れていたんですね(汗)。

おまけに、希望を「すべて」伝えていたこともあって予算が膨れ上がり、最初のプランを出してもらった段階で、自分の予想を遥かに超えるようなプランが出てきてしまいました。そんなにかかるとはまったく想像していなかったので、その後、何度もコストダウンをお願いすることになり、建築設計士の先生に迷惑をかけてしまいました。今でも反省しています。

もちろん、家にかけられる価格は人によって違うものですし、とことんこだわっていい家を作りたいという人もいれば、最低限の設備が整ってればいいや、という方もいますので、それぞれの家庭の事情が優先されるべきところですが、家にどのくらいお金をかけるのか、そのお金はどこからどうやって借りるのか、そしてどのくらい長期にわたって返すのか、このあたり、夫婦でみっちりお話をしておいたほうがいいです。

通常のハウスメーカーにお願いしていたら、そのあたりのことも営業マンがしっかりフォローしてくれるのかもしれませんし、融資してくれる銀行なども紹介してくれるかもしれません。が、私のように自分で地元の設計事務所に行くような場合は、自分でお金を工面する必要がありますし、コスト意識をしっかり持っていないといけません。わたしはその点完全に失敗してしまいました・・・。

 

—家づくりと人生設計

予算を決める際、もっとも重要なのが「家の優先順位をどこまで高めるか」を決めておくことだと思います。たとえば、長期的にローンを組んでまで家を建てたくないというのも正しいと思いますし、共働きでガンガン働いて、その分お金をかけて良い家にしたいというのも正しいと思います。あるいは、家にかける費用を減らして、その分海外旅行に行きたいとか、そういうのもありでしょう。

つまりこれは「どんな家に住みたいか」ということより「人生設計」に近いかもしれませんが、夫婦間で、今後どういう家庭にしていきたいのか、どんな風に生きていきたいのかの長期的な「軸」を決めて頂く局面なんだろうと思います。家をどういうテイストにするかということ以上に大事な問いかけなのは間違いありません。

私の場合は、ローンは長く残したくなかったので、ローン期間を短め(その分毎月の支払いは多め)にし、極力ローコストの住宅を作ってもらえる業者を探しました。ただ、大手のローコスト住宅チェーンだと、どうしてもデザインやスペックが気になったので、地元の建築設計事務所さんに「ローコストで」という条件でお願いすることにしてみました。そうしたら、単純に「ローコスト」で「かっこいい」家ができると思ったわけです。

ローコストにしたのは、そもそも金銭的な余裕がない、というのが最大の理由ですが、最初からあまり決め決めの家にしたくなかった、ということもあります。子どもの成長や、私たちの生活に合わせて、必要なら後々自分で取り付けたりできる冗長性のある家、最初は箱みたいな家でいいだろうと、そんな家であれば、ランディングコストも少ないかなと考えたんです。

それに、子どもが大きくなると、進学費用とかが必要になると思うのですが、その時、住宅ローンが負担にならないように、できるだけ早く払い終わるようにしようという夫婦間の合意がありました。家を作ろうと言うとき、多くの人にとって「ローン」と無縁ではない以上、その後の「人生設計」に触れずにはいられません。これも機会ですので、じっくり考えてみてはいかがでしょう。

 

—銀行には絶対に早めに行っておく!

家づくりを始めると、業者さんとのやりとりが充実してくるので、銀行とのやりとりを忘れてしまいがちですが、業者さんと契約を結ぶのと平行して、ローンについてもしっかり話をツメることが必要です。ほとんどの場合、お金を借りる前に着工してしまうと、最悪の場合、ローンの契約が破棄されることがあります。

実は我が家、業者さんが気を遣ってくれて「どんどん工事を進めておきますね!」と率先して基礎工事の計画を進めてくれていたのですが、ローンの審査に時間がかかり、基礎工事を半月近く待って頂くハメになってしまいました。震災直後ということもあり、震災関連の助成金などがあったため、その手続きに手間取ってしまったからです。

もし、ローンの契約が結ばれる前に、基礎工事が終わって木工事が始まっちゃった! なんてことになると、ローンそのものを破棄される可能性があったわけです。ですので、家づくりをお願いする業者さんには「ローンの手続きはこのくらい進んだよ」ということをリアルタイムで伝達するようにしたほうがいいでしょう。

銀行に行くと、担当者が住宅ローンについてさまざまな助言をしてくれます。そのほか、おトクな助成金などの情報も教えてくれる場合があります。銀行には「住宅ローン」専門の部署がありますので、業者さんがある程度絞り込まれ、最初のあいさつを済ませた頃には、銀行に顔を出しおくといいと思います。

皆さん、私のようにならないためにも、お金のことは、できるだけお早めに。

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