vol.7 抗い難い無垢フローリングの魅力

部屋の床をどんなフローリングにするか、それともじゅうたんにするか、けっこう意見が分かれるポイントです。リビングは? 寝室は? 子供部屋は? 床の材料って、いろいろ悩みどころの多いポイント。ちなみに我が家はすべて「無垢フローリング」にしました。やはり木質ならではの、抗い難い魅力があるんですよね。

なぜこんな風に張り切ってフローリングを話をしているかと言えば、わたし、フローリングには人一倍こだわりがあったから。やはり無垢材のフローリングは美しいですし、独特の風合いがあります。広いリビングにビシーっと張り合わされたフローリングがあると、「木の家に住んでるんだなあ」と感じられます。

フローリングには、1枚の板からつくられた「無垢フローリング」と、合板などの基材の表面に化粧板を張り合わせた「複合フローリング」があります。無垢材は、木材の素材感が出ますし、複合材は比較的安価でありメンテナンスも楽です。それぞれにメリットがあるわけですね。

私はやはり無垢材を推したいです。やはり木材の質感が素晴らしい。傷がついてもヤスリがけなどをすれば新品のようになりますし、木材の種類もたくさんありますので選ぶのも楽しいです。部屋によって使い分けるのも面白いかもしれません。そこで今回のコラムでは、フローリングを選ぶ際、わたしがどこを重視したかなどを思い出しつつ書いてみます。皆さんの家づくりの参考になりますように。

 

—我が家のフローリング、こんな風に選んだ

フローリング材を選ぶポイントは、無垢材か複合材か、針葉樹か広葉樹か、色合いは白系か茶系か、塗装品か無塗装品か、あたりでしょうか。とにかく種類が豊富なので、こうして少しずつジャンル分けしながら選んでいくと、お気に入りのフローリングが見つかるかもしれません。

①針葉樹か広葉樹か

木材は、大きく分けて針葉樹と広葉樹があります。針葉樹は、スギ、ヒノキ、パイン(松)など。広葉樹に比べて柔らかく、衝撃を吸収します。素足で歩くと少し暖かいその質感も魅力です。スギは、加工されていないものだと柔らかいので、表面の固さを高めるために圧密されたものがオススメ。

広葉樹は、ナラやカエデ、チークなどが代表的。硬い木が多いため、耐久性も高いです。ナラやタモなどは家具などにもよく使われます。独特の美しい木目は高級感があり、広い面積に使うと美しく部屋が映えます。節のない材などは希少価値もあり価格も高めですが、余裕のある人は試して頂きたいですね。

②白系か茶系か

色で選ぶのもオススメです。私は、部屋のデザインにコントラストをつけたかったので、焦げ茶の木材にしたいと考えました。部屋全体のトーンがギュッと締まり、モダンな雰囲気になるかなと思ったからです。ただ、焦げ茶というと、ウォルナットやチークなど高級な材が多いので、けっこう難しそうだなと。

そこで探し当てたのが、東南アジア原産の「アカシア」という木材のフローリングでした。東南アジア原産の木材を「南洋材」と言いますが、亜熱帯の独特の、黒っぽい色が楽しめる上に、少し白っぽい部分も混じるので、表情が豊かになるんですね。アカシアは本来針葉樹なのですが、木材が堅いので耐久性もよく、植林木なので価格もお手軽です。

また、もし希望の色がある場合は、パインなどのフローリングを塗装したものもよいかもしれません。いわき家ナビでも紹介されていますが、塗装されたものも、塗りつぶすわけでなく、木目はしっかりと生きます。黒や茶色など、部屋の雰囲気に合わせて、希望を伝えるのがよいかもしれません。

③塗装品か無塗装品か

塗装品は、ウレタン塗装が主流です。塗膜が強くお手入れも楽です。しかし独特の光沢があり、木材本来のソリッドな感じはあまり強くありません。そこで私は、やはり無垢材+オイルをお勧めします。素材感が出やすいんです。

フローリングといっても、無垢材ですから木は呼吸します。何もつけないと、表面の潤いが失われますので、オイルをつけるわけですが、オイルを塗った後、さらに木材本来の深みが出てきます。オイルをつけることで、表面も強く丈夫になります。オイルのほかには、蜜蝋ワックスなどもよいかもしれませんね。

オイル塗りは定期的にやる必要がありますが、オイル塗りをすると、フローリングに愛着が湧くんですね。そして使い込むと、さらに味わい深くなります。「古びる」という言葉がありますが、フローリングに関しては、使えば使うほど「古美る」。長く住む家だからこそ、無垢材のフローリングをおすすめします。

お気に入りのフローリングをビシっと張ったリビングルーム。そこにどんなカーペットを置こう、どんなソファーを置こう、そしてどんな観葉植物を置こう。色々な妄想が広がります。焦らず、色々なフローリングを見て触って調べて、お気に入りの床に仕上げて下さい。床は毎日肌が触れるところ。後悔のないよう、じっくりと選んでみて下さい。

写真上:江尻建築「台所から生まれる暮らし」床材/桧
写真下:KD設計「壁面収納のある2階リビングの家」床材/アカシア

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