第5話「好き嫌い」と家づくり② 「ノウハウ編」

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前回のコラムでは、自分らしい家づくりのためには、「好き、好み」を大切にすること。伝えることが必要なこと、他に時間や自然も一緒に考えることをお伝えしました。今回は、より具体的に「好き、好み」を明確にして、伝えるための3つのノウハウを伝えていきます。

 

1.書く・写す・伝える

自分の頭の中にあるものを、明確にしていくためには、とにかく紙へ書くことが、つくり手へ伝えるための初めの一歩です。また、これだと思うものを、写真に写すこと。これいいなと思う記事などを切り抜き集めることが必要です。紙に書いたもの、写真へ写したもの、切り抜きなどを集めると、一貫している部分が見えてきます。そこにこだわりたい「好き、好み」が見えてきます。

①家づくり専用ノート・スケッチブック
家づくりに関することを何でも書いたり、貼りつけたりするためのノートやスケッチブックを1冊用意します。体裁は、気にしなくてかまいません。ご自身がやりやすい方法が一番です。そこへ文章やスケッチ等で書き込み、切り抜きなどを貼りつけます。
もう一つの方法は、A4コピー用紙を利用する方法です。裏紙でもかまいません。クリアファイルなどへA4用紙を入れたものを持ち歩き、気付いたことなどを1枚に一つ程度書きためる。あとで分類整理する方法もあります。いいところは、体裁気にせず走り書きしやすいこと。

②スマホ写真撮影
スマホをお持ちの方が多く、手軽に写真が撮れることと、WEB画面を画像保存がしやすくなったことで、写真でまとめる方法もあります。WEB上で参考になるような住まいの画像があれば撮影し保存しておきます。また、まちを歩いていたときに見つけたもの、誰かのお宅へ伺ったときにいいなと思おうモノを撮りためておきます。もちろん、スマホでなくカメラでもかまいません。

③メッセージ・メールで気軽に伝える
SNSメッセージやメールであれば、手軽に、気軽に送りやすい利点があります。気になったことや気付いたこと、紙に書いたものや撮影したものをすぐに、つくり手へ送り伝えることができます。つくり手との打合せ日を待たずに、情報を送れることで、家づくりの不安やストレスも軽減できます。また、つくり手の方にしても、文章や写真などで送られてくる情報をまとめることで、住まい手さんの好みを把握しやすくなります。
住まい手さんにより、メール、Facebook、LINE、twitter等の使い分けがあり、私もその都度、アプリを使い分けながらコミュニケーションをスムーズにしています。しかし、手軽だからこそ、あの写真はどこへ?ということにもなりがちです。だから、私は、いただいた情報はすべてダウンロードしパソコンのフォルダーへデータとしてまとめています。

 

2.ネット・書籍・カタログ

①HPからの収集
いわき家ナビHPには、様々な住まいの実例を掲載しています。各工務店の物件が、和洋風、洋風、和モダン、純和風、プロバンス風等のデザインで分類されています。工務店のデザイン方針と共に住まい手さんの好みが反映された結果があります。事例を見ることでお好みのデザインを把握することができます。
住まいの相談会にお越しになる方は、自然素材を採用したい方が多い気がします、また、ハウスメーカーなどとは異なる質感やデザインの家づくりをしたいという方も多いです。
インターネット上には、家づくりをされる方の参考になるような、インテリアの事例が豊富に写真掲載されているサイトがあります。まずは、画像検索を行い、イメージ写真を集めるのもオススメな方法です。全体のイメージから始まり、細部のものへと選んでいくと、バランス良く情報を集めることができます。

②書籍からの収集
家づくり雑誌や書籍からも同じように、気になった部分をコピーし、撮影しスクラップします。図書館へ行くと古い本もあるので、古いからこそ、最近の情報とは異なる雰囲気からの発見もあるので、一読をお勧めします。

③カタログからの収集
住宅設備機器や建材などをHPで調べると、メーカーのHPがあります。中にはWEBカタログがあるので読んでみると、そのものの特徴などが分かりやすく書かれているので、理解を深められます。気になった商品のカタログを請求し集めるのも一つの方法です。いくつか読んでみて疑問などがあれば、つくり手へ相談すると、実際に使ってみてどうかなどを確認することができます。

 

3.実物を見る

やはり、実物を見ることが最も確認できます。可能な限り、実物を見る機会をつくることがお勧めです。実物を見ないで、写真などだけで判断すると、思っていたのと、大きさや質感が異なる場合がよくあります。実物を確認できない場合は、寸法を確認し、サンプルなどを取り寄せられるものは、取り寄せて実際に見てみることをお勧めします。

①ショールーム
いわき市内には、以下のショールームがあります。平日が休みなので週末は見学が可能です。可能であれば、つくり手と共に行くことで計画中の内容の確認が進みます。同じキッチンでも複数のショールームへ行くことで各社の違いやこだわりも見えてきますので、できるだけ複数回足を運ぶ方で理解が深まります。

ショールーム名 住所・電話番号 内容
タカラスタンダード(株) いわきショールーム いわき市平字下の町8−14

電話:0246-22-6181

キッチン、ユニットバス、洗面所等を見学できます。
TOTOいわきサテライトショールーム

 

いわき市常磐水野谷町諏訪ケ崎7−8

電話:0120-431-010

便器、洗面所、ユニットバス、キッチン等を見学できます。
クリナップ(株) いわき営業所ショールーム いわき市鹿島町御代九反田51−5

電話:0246-58-4771

キッチン、洗面所等を見学できます。
パナソニックリビングショールームいわき いわき市平塩字風内91

電話: 0246-35-5115

2016年7月9日オープン。キッチン、ユニットバス、洗面所、トイレ、内外装等を見学できます。

②他の家で
最近、家を新築やリフォームした方のお宅へ行ったときに、どんな感じだったかを覚えておくことも大事です。家づくりの打合せをしているとよく、○○さんの建てた家はこうだった。という話題がよく出ます。実際に生活している家だとよりイメージがわきやすいです。特に、冷暖房の効き具合等は実感しやすいです。
家ナビHPでも告知していますが、竣工引き渡し間近の住宅見学会なども開催しているので、その際に実際に見ることも分かりやすいです。見学会がよいのは、つくり手がいるので、どのようにつくるのか、素材やメーカーなどのことも教えてもらうことができます。
その際は、計画中のプランがある場合は、部屋の広さなども照らし合わせ確認するとよりイメージが湧きます。

③旅先で
旅行や出張、ちょっとしたお出かけ先で発見したものを参考にすることもできます。
ホテルや旅館などに宿泊の際には、明るさ、照明の在り方が参考になる場合もあります。間接照明や枕元灯、光の色などは、普段と異なる場合もあり、寝室づくりの参考にもなります。また、お風呂へのこだわりがある方は、浴室の内装や屋外の眺めの関係なども参考になります。
東京など首都圏へ出かけるときに時間を確保できれば、ショールームをめぐることもおすすめです。特に、東京のショールームには、展示してあるものの種類が多く、展示されている状態も、実際の住まいの状態から想像しやすい場合も多数あります。たくさんのものがあるので、全く想定していなかったけど、掘り出し物発見的な出会いもあります。

 

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自分の好きを見つけて、整理して、伝えるためのノウハウをお伝えしてきましたが、住まい手さんそれぞれに会った方法を試しながら見つけていくことも家づくりの一つだと思いますので、楽しみながら取り組んでいただけるといいなと感じています。

環デザイン舎 北瀬幹哉

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