第6話 住まいの寸法感覚

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建築を学び出した大学生の頃の話です。初めて設計に関する授業を受け、さあ、図面を描いてみようとなり、と思ったのが、壁の厚みは何センチ?部屋の広さはどれくらいが普通なのか?住まいの基本的な広さと寸法の知識や感覚がないことを実感した記憶があります。設計をしていく上では、寸法の感覚はとても大切です。だから、最初は自分の部屋をメジャーで細かく実測し、図面に描き起こす授業がありました。実際の設計の仕事では、新築予定の土地の広さを把握するために実測、リフォームのために既存の家の実測などを行います。設計をするものは、描きながら測りながら寸法の感覚を身につけていきます。

これから住まいを新築しようという方は、最初、住まいの寸法と広さの感覚があまりないので、住まいのボリュームイメージがつくれない場合が多々あります。相談会では、理想とする家の規模はどれくらいが一般的なのか、今ある土地にはどのくらいの家を建てられるのか、という相談もあります。こういうときに、6畳間や8畳間という日本人ならではの部屋の広さの共通感覚が役に立ちます。何畳の部屋がいくつつくれるというあたりから、話を始めると広さのイメージができていきます。

■35坪が平均的な新築いわき住宅の広さ

住まい相談会を初めて、様々な相談を受けていく中で、いわき市内で建てられている家で何坪くらいが一般的なのかを、家ナビデータから確認して見ると、35坪の住宅が多いことが分かりました。試しにネットでいわき市内の不動産情報を確認してみても35~40坪あたりが多い感じがします。二世帯で住む場合は35坪以上の住宅が多いのではないかと思います。

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試しに規模の概要を部屋の畳数で計算してみます。リビング8畳+ダイニング6畳+キッチン3畳+押入付き和室8畳+寝室6畳×3部屋+収納8畳+浴室2畳+洗面脱衣室2畳+トイレ2畳+階段4畳+玄関廊下9畳=70畳。1坪は2畳なので、70畳の住宅は35坪住宅となります。35坪の住宅であれば、部屋数的に4~5人家族が生活できる住宅と想定できます。広さの想定内容は、いわき家ナビ35坪モデル案でもほぼ対応しています。

 

■浜通り品質の35坪モデル

平均的ないわき住宅の規模を35坪モデルと想定し、いわき家ナビ35坪モデルをデザインしました。浜通りらしい35坪モデルとして、5つの特徴があります。

1.住宅建設費が2千万円代前半。
2.いわき市産材もしくは福島県産材の柱や無垢フローリング等を利用した自然素材活用。
3.シンプルプランでコストダウン&間仕切り方で多様なプランニングが可能。
4.南面可能な部屋配置と通風換気のしやすい窓配置。
5.省エネ基準以上の断熱性能確保で快適&省エネ。

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1階のプランイメージです。ワンルームのリビングダイニングになります。リビングの隣は置き畳を敷いたイメージです。中央のリビングと奥の部屋の間に壁や引き戸をつけて間仕切ることも可能です。もしくは、玄関とつなげた土間空間にすることも可能です。

14 15Print2階のプランイメージです。最初はワンルームですが、梁のあるところへ間仕切りをつくることで、個室化が可能です。家族数の変化に伴い変更することが可能です。間仕切りではなく家具などで仕切る方法もあります。外部へバルコニーが欲しい場合はオプションで設置可能です。その他にも、オプションで、仕上げ材やキッチン・ユニットバス等の性能UPも可能です。

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部屋の仕切り方で、多様なプランニングが可能です。

パターンAは、1Fが広いリビングダイニング。2Fは、寝室を2間としたプラン。

パターンBは、1FのLDKの隣に和室を設け、2Fに3室寝室を確保したプラン。

パターンCは、1FをLDKとし、玄関から続く土間を設置。2Fは収納等の仕切りをなくし広い寝室としたプラン。

■プランニングのたたき台から自分らしい家づくりへ

ベースとなるモデルプランがあることで、ここからご家族で、我が家であればここはこうしたい!という要望が出てくると思います。何もないところからでは、なかなか議論がしにくいものです。ぜひ、ここから理想とする自分らしい家をご検討いただけたらと思います。もしくは、プランはモデル住宅のベーシックなかたちで十分なので、このまま建てたい、という場合は、ベースとなる設計があるので、ゼロから設計・建設するよりコストダウンが可能です。そのコストダウンした分を仕上げや住宅設備機器の性能品質UP、家具などの購入へ活かすことも可能です。

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1Fの南北に続き間をつくれる35坪モデルもありますので、35坪にご興味ある方は、相談会へのご参加もしくはお問合せ下さい。

環デザイン舎 北瀬幹哉

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