家づくりのプランニング、特に洋風の家を建てる場合にぶち当たるのが「神棚と仏壇どうするのか問題」です。仏壇は「実家」や「長男の家」に置くご家族もありますが、神棚はそうはいきません。できれば早めに方針を決めておきたい問題ですよね。そこで今回のコラムでは「神棚」について考えたいと思います。
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家の間取りを決めるときに、まず大きな問題になるのが「和室を作るかどうか」。和室を作る場合は、自然とそこに神棚や仏壇を入れる家が多いでしょうからさほど悩まないのですが、問題は和室を作らない家の場合です。私の家はリビングルームをかなり広くとったので、和室を作るスペースがなくなり、洋室だけの間取りになっていたんですね。
そういう間取りで進めていたので、業者さんから「K男さん、神棚どうしましょうか」と聞かれた時には、すぐに返答ができませんでした。この広い洋室のいったいどこに神棚をつけたらいいのか、皆目見当がつかなかったからです。あの仰々しい神棚は我が家の洋室には似合わないのは明らか。神棚はなくてもいいかな、と考えたりもしました。
でもちょっと待てよと。私は毎年の正月には地元の神社に初詣に行って家内安全を祈ってきたし、思ってみれば小学校の通信簿もお年玉も、一度は神棚に上げられていました。合格祈願も安産祈願も、娘のお宮参りもその神社で執り行いました。あまり意識して来なかったけれど「神様のいる日常」を当たり前に過ごしていたわけです。
神棚を作るかどうか、要は信心次第、気持ち次第です。だから神棚は「つけなくていいや」という人はつけなくていいし、強制されるものでもありません。でも、やっぱり家内安全や子どもの成長や、健康や商売繁盛を願わずにはいられず、ならば家のなかに神様を祭る場所があったほうがいいんじゃないかと夫婦で話をして、神棚をつけることになりました。
神社に確認したら、別に「これでなければいけない」という決まりがあるというわけではなく、それも本人の気持ち次第なのだそうです。それに最近では、洋風の家にマッチするデザインの神棚が多数商品化されています。そんなことを知るうちに、私たちの考えは、次第に「いいデザインの神棚があるならちゃんと付けたい」というほうに傾いていきました。
そこで選ばせてもらったのが「かみだな」でした。この「いわき家ナビ」を運営している正木屋材木店さんが運営するブランド「もこのこ」の商品で、デザインがとてもシンプル。我が家の洋室にもぴったりでした。神社への取材を重ね、神社の「お墨付き」も得たうえで開発された商品なので、いわば「神道の作法に則った神棚」でもあります。
神棚は、きれいな場所で、南向きあるいは東向きにつけるのがよしとされています。また、神棚の上を歩いてしまうと、神様の頭を踏みつけてしまうことになるので、1階に神棚を置く場合、神棚の上にあたる部分には、家具を置くなどして人が通れないようにする必要もあります。
我が家では2階リビングの壁面、白いクロスが貼られた壁に木製の棚を取り付け、その上にかみだなを設置しています。台所の裏側になりますがきれいな場所ですし、上には屋根があるだけなので神様を踏みつける心配もありません。一応南向きですし、神様もここなら居心地がよいかなと思っています。かみだなの中には近所の神社で頂いた「ご神体」が祀られています。スライドさせると中にご神体が入るようになっていて、扱い方も簡単。こんなにモダンなデザインなのにしっかりと神棚なんですね。
昔ながらの神棚は見た目が荘厳なので、そこにあるだけで神棚感がありますが、「かみだな」の場合は見た目がシンプルなので、余計に信心が試されるというか、引き出されるような感じがします。毎日の健康、家族の安全、日々いろいろなことを思い浮かべながら、かみだなを拝んでいます。
K男的には、神棚はつけるべし。日本は四季折々に、その土地土地の神様に感謝する風習があります。お祭りといえば神様とは切っても切り離せません。つまり神棚を置いて神様を祭るというのは、自分の家に季節や自然を取り込むということでもあるんです。節目をピシっと締めるにも神棚は有効です。神棚どうしようかなあと迷ったら、そんな新しい神棚も検討してみてはいかがでしょうか。
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