第14話 キッチンのつくりかたのコツ!

住まいづくりで奥様が、最も力を入れるキッチン選び。しかし、キッチンを選ぶためにショールームへ行くと、様々な素材、最新機能があり、いいモノを選んでいると、あっという間に車一台分くらいの金額になり驚くことがあります。そして予算全体のバランスが悩ましい事態になってしまいます。今回は予算を抑えつつ好みのキッチンにするコツをお伝えします。
キッチンのクリナップHP(https://cleanup.jp/kitchen/)には、レイアウトからキッチンを選べるページがあります。

今回は、住まい手さんのニーズが高い、対面タイプのデザインを考えていきます。
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)のプランニングでは、ワンルーム的で、キッチンはLDと対面するパターンが好まれています。子どもさんの様子やTVを見ながらキッチンに立ちたいけれど、作業中散らかりがちなキッチン内部は見せたくない、という希望を叶えているからです。
キッチンをダイニングなどへ対面させる場合は、キッチン設備もさることながらキッチンのレイアウトとキッチン周辺のデザイン(装い)も同時に考えていくことになります。


まずは、いわき家ナビに掲載されている住宅から、対面キッチンのレイアウト例を5つのパターンへ分類したのでご紹介します。


1.対面キッチンレイアウト集

①キッチン前ダイニング
キッチン前にダイニングテーブルを配置するパターンです。このパターンは会話がしやすく、最も好まれています。LDKのプランニング・配置がしやすいということもあります。

キッチンの前は畳というパターンもあります。畳床に座ってご飯を食べる習慣が受け継がれ、好まれているのかもしれません。その際に床を高くした場合は、床下収納を確保したり、椅子に座っている人との目線をあわせられる利点があります。また、畳を樹脂系の製品とすることで汚れにくくする方法もあります。
畳床でフローリング床とレベル差をつけた場合は、カウンターやダイニングテーブルとイスの複合的なデザインも可能になります。床座の生活と机イス生活どちらも取り入れたいライフスタイルにオススメなデザインです。

②キッチン横ダイニング
キッチン横にダイニングテーブルを配置するパターンです。キッチンから料理をテーブルに出しやすいレイアウト。キッチンカウンターと一体的にデザインする方法もあります。キッチンとダイニングテーブルで横に長いレイアウトスペースが必要になります。

③壁デザイン
キッチンを壁で覆うデザインです。キッチン上の吊り棚を設置する場合に有効です。上の写真のように、壁面一体を同一素材とし壁面の中にキッチンとつながる開口があるパターン。下の写真は、他の壁と同じ壁とし、キッチンがあることをあまり感じさせずに部屋を緩やかに区切るデザインです。

④オープン・レイアウト
キッチンの天板が見えるようにフラット対面やアイランドキッチンでダイニングなどとつながるレイアウトです。家族でキッチンを囲い一緒に料理がしやすさなどがあります。空間的にもリビングダイニングなどと一体的な空間になり広さを感じられます。しかし、キッチン周りのかたずけ必須になります。

⑤カウンターキッチン
キッチンの前に食事ができるカウンターをつけるタイプです。朝の忙しい時や料理を作りながら食べる場合などに最適なタイプ。ちょっと置きにも便利なので物置カウンターになるのは避けたいところです。

ご自身の家族は、どのパターンが使いやすいでしょうか。料理を主につくるであろう奥様の好みとご家族のライフスタイルが大きく影響されるはずです。


さて、レイアウトも大事ですが、キッチン設備の周りを装う造作も重要なポイントになってきます。


2.キッチン周辺のデザイン(装い)

①木材造作
フローリングや天井仕上げに無垢材を利用するインテリアにあわせ、木材でキッチンを囲った装いです。無垢材を室内に使う場所を増やし、木質感を高めます。貼り方で様々なニュアンスも楽しめます。

②異素材造作
インテリアデザインのアクセントとして異なる色合いや素材の壁で囲うキッチンの装いです。モダンなデザインやカフェ的なデザインを行います。

③収納造作
キチンを囲うカウンター下に収納棚を設置する方法です。ダイニングテーブルと収納棚の間にスペースが必要になりますが、食器などをテーブル近くに収納できるので便利です。



3.ココがキッチンのコツ!

キッチンのレイアウトと周辺デザインを検証してきましたが、このコラムで伝えたいキッチン本体の選び方のコツ、それは…

        キッチンを装うとキッチン本体は、ローコストタイプでもよい!

ということです家づくりの予算配分の考え方なのですが、キッチンの造作(装い)部分の材料やカウンターなどに予算を使い、キッチン本体を少し抑えることで、デザインと設備のバランスがとりやすいということです。

最近のキッチンはローコストタイプといっても必要十分な収納、デザイン、耐久性、扉材があります。キッチン本体のスペックは、ローコストタイプの商品をベースとし、水栓やコンロ、食器洗浄機、換気扇、オプション棚などを好みに応じてスペックアップするという方法が一番コストパフォーマンスがいいようです。

ワンルーム的なLDKの場合は、対面するキッチンの装いで室内の雰囲気が決まる場合が少なくありません。より自分好みの空間をつくるためにも、デザインと設備のバランス(予算)を考えながら、キッチン本体の選定を行うことが、スムーズにプランニングが進むコツと考えます。キッチンの装いを考えることからも、住まいづくりを楽しんでください!

環デザイン舎 北瀬幹哉

同じ仕様の住まいを探す

関連記事

  1. VOL.8 長期優良住宅とは

  2. 第7話 断熱もデザイン①「ゆっくりを実感」

  3. VOL.10 神棚どうする問題