▼変わりゆくキューバへ。

アメリカに住んでる間に絶対に行きたい国のひとつが、キューバだった。突如として日本への帰国が決まり、私は急いでキューバ行きの航空券を買った。調べてみると、様々なお国事情が見えてきた。入国にはツーリストビザが必要だということ、ネット環境がとにかく悪いということ。それと、ちょっとおもしろい宿事情「Casa(カサ)」のこと。どうやら、キューバは民泊先進国らしい。「キューバに行くなら今だ」と、友人たちがキューバへと向かった。54年もの間断絶されていたアメリカとキューバの国交が2016年に回復。1960年代以降止まっていたキューバ経済が一気に動き出し、輸入品や観光客で溢れかえる前に、レトロな街並みと自然を見ておくべきだと。そんなに言われたら、私も行きたい。クラシックカーを、カラフルな古き街並みを、美しき海を。私はニューヨークから直行便でキューバの首都・ハバナに向かった。

ググってもよく分からなかったのがツーリストビザの取得方法。実際は、結構簡単で行きの空港の搭乗手続き時に50ドルで購入できた(日本からだと違う可能性あり)。
常夏の島国キューバに到着してすぐ、両替所に向かう。この国には、通貨が2種類ある。外国人向けの通貨「CUC(クック)」(1CUC=約108円)とキューバ人が使う「CUP(クップ)と。CUCの価値はCUPのおおよそ25倍!!! なんだかよくわからないけどすごい差だ!と思いながら、空港で買ったハバナの地図と、いくつかの観光情報サイトのスクリーンショットを頼りに、私は一路タクシーで世界遺産である旧市街へと向かった。途中、革命広場を通り過ぎる。目の前の建物の壁面にはキューバの英雄、チェ・ゲバラ。

▼宿は政府公認民泊「casa」。

「キューバに行くならホテルより”カサ”に泊まるといい」。これもまた、友人の誰かが言っていた。カサは日本語で言うと「家」という意味で、いわゆる「民泊」。正式名称は、casa particular(カサ・パルティクラル)。一定の基準を満たした民家が政府公認で家を旅行者に貸している。民泊がとにかく盛んで、カサ経営はキューバの人々の重要な収入源になっているという。国公認の民泊制度。Airbnbより先に、国として民泊制度を持ったキューバは、本当に民泊先進国だった。

盛んだというだけあって、街に至るところまさに青色の公認カサマークが掲げられている。
私は事前に猛リサーチし、旅の前に宿を予約していた。宿を選ぶにあたり考慮したのは、「清潔さ」「立地」の2つ。メジャーなカサ予約サイト「HavanaCasaParticular.com」「MyCasaparticular」の2サイトで評判の良いカサを見つけては、日本語サイトでの評判を照らしあわせながら、旅を大きく左右する最高のカサ探しに明け暮れた。ここだ!というカサを見つけ予約すると、「ごめん、もう空いてないんだ!でも系列のここが空いてるよ!」という返事が来て、なんだってぇぇぇぇぇ!空いてるって言ったのにぃぃぃ!!!なんてやりとりを根気強く何度も繰り返しながら出会った、味のあるカサがこちら。

▼Casa Dayami de Cervantes

ハバナの街の中心に位置する旧国会議事堂「キャピトリオ」から旧市街を奥に進んで徒歩15分。Best casa 2015にも選ばれたカサCasa Dayami de Cervantes。ドキドキしながらインターホンを鳴らすと、奥からにこやかなおじさんが顔を出し、こう言った。「△〇+■>*+Q+@!」あっ、やばい。スペイン語がきた。まったく理解できぬスペイン語の意味を、おじさんの表情と少し激しめの動作から読み取ると、「俺はただの留守番で、これから英語が話せる娘がくるから!」みたいな話だった(はず)。少し待つと、英語が話せる娘さんが現れ、部屋を案内してくれた。当たりでありますようにと願いながら、ドアを開ける。か、かわいい。タオルがリボンになっていてほっこり。シャワーも水圧、温度共にばっちり。
このカサは、風通しのいい共有スペースが気に入った。
部屋の窓の外に見えるのは、ハバナを感じさせるリアルな街並み。朝早く、ここでのんびりしていると宿のお母さんがコーヒーを入れてくれた。あたたかかった。


▼La casa de candida


お次は「La casa de candida」。こちらはキャピトリオから徒歩5分、賑やかな通りまですぐの好立地に加え、オフィシャルHPやFBページもあるという安心感!(笑)。泊まってみたいと思ったものの、シングルルームがいっぱいで、トリプルルームを予約(1人旅です)。行って驚いた、まさかの2フロアを一人で独占。広いリビングに加え、4口コンロのあるキッチンも。広くて最高!というより、むしろ寂しい。あと5人ぐらい連れてくればよかった。気になる部屋は、街並みに似たようなカラーリング。か、かわいい。このカサのシャワーも水圧ばっちり、お湯もでる。何も言うことはない。


地図付きのパンフレットまであるという驚異のホスピタリティに心打たれる。加えて、家主のおばさまが穏やかなこと。あれこれ色々と本当にお世話になりました。
ちなみにカサの相場は、1泊2,000円~3,000円前後のものが多く、朝食・夕食付きだと+500~1,000円ぐらい。ホテルの数が少ない上に宿泊費も10,000円を超えるとなると、いかにカサがお得かわかる。キューバにどっぷり浸かりたいのであれば、生活を伺い知ることの出来るカサ泊が間違いなくお薦めだ。


▼世界遺産の旧市街を散策。



住宅エリアにくらべ、観光スポットは整備されていて、ヨーロッパのような街並みが広がる。
本場のキューバンコーヒー。

住宅エリアは1950年代で時が止まったままのよう。


▼アート時々、チェ・ゲバラ。


▼キューバのネット事情。

街でポケモンGOのような人だかりを見つけたら、そこはwifiスポット。キューバはネット環境がかなり悪い。ネットにつなぐには、ホテルないし街中のお店でカードを購入し、ネットがつながる場所へと足を運ぶしかない。


▼暮らすように海へ。

海が好きな私は、夕方になると海の方へ歩き、夕陽を眺めた。新しい体験だらけだった初のキューバ旅。特にカサに泊まったことで私の旅は間違いなくより有意義なものになった。家は、生活そのもの。カサに泊まることでよりリアルなキューバを肌で感じることが出来たように思う。

2018年06月15日、日本でも民泊という形態の宿泊提供に関する法律「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行された。民泊サービス「Airbnb」などを利用した民泊が日本でも活発化している。日本政府観光局によると、訪日外国人の数は2017年には2869万人と過去最高を記録。これから東京オリンピックも控えている。彼らの宿泊の選択肢には当たり前のように「民泊」が入ってくる時代だ。これから、自分の家も貸したいな、と思っている人も、どうなの民泊?と思っている人も、思いっきり足をキューバまで伸ばし(片道15-17時間)、経済発展する前のキューバの歴史と今を辿るとともに、伝統ある民泊を体験してみるのもいいかもしれない。本場のモヒートを楽しみながら。

 


文・写真:Hidemi Miyamoto
いわき市小名浜生まれ。いわき、東京、ときどき海外。音楽業界での経験を活かし、エンタメは元より地域から福祉、教育までジャンルをまたいでコミュニケーションを生み出すプランナー。2011年、東日本大震災後に地域活性化団体「MUSUBU」を設立。2017年夏、2年間のニューヨーク生活を経て帰国。海と魚がある暮らしを楽しみ育む「umiiku」代表。無類のサッカー好き。 http://musubu.me

 

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