夫婦がゆったりと人生を楽しむ終の住処だから、負担のないようシンプルに、そしてコンパクトに暮らしたい。巧みなデザインで自然な暮らしやすさを引き出したコンパクト住宅は、夫婦の安心を守る長期優良住宅でもありました。リタイア世代の理想の暮らし、発見。
ご夫婦が家の建て替えを決めたきっかけは東日本大震災でした。建て替えにあたっての第一条件は、災害に強い丈夫な家であること。しかし、ご夫婦2人だけで暮らす家であるため、どっしり大きな家ではなく、コンパクトでシンプルな家であることも希望の1つ。
小さくても、暮らしやすく、そして丈夫な家。そんなご夫婦の希望をカタチにしたのはライフデザイン株式会社。「これから高齢となるご夫婦ですから、室内の移動の負担を減らしつつ、空間に区切りを与える設計を心がけました」と家づくりについて語ります。
家そのものはコンパクトですが、それぞれの空間に過不足なく余白が取り入れられ、洗練されたモダンなデザインも手伝って、空間の広さを感じることができます。仕切りや建具は最低限におさえ、扉を閉めたり、歩いたりと言う負担を軽減。家の中を歩いてみると、狭さをまったく感じさせない自然な居心地の良さがあります。
また、大切な家族である2匹の猫たちのために、猫用トイレに専用の出入り口をしつらえています。蓄熱式のスラブヒーターのおかげで、部屋の温度差がなく家全体が温かいので、寒がりな猫たちものびのびと暮らすことができそう。まさに「終の住処」と呼ぶにふさわしい、夫婦の理想の住まいが誕生しました。
もちろん、耐震性、耐久性能も長期優良住宅の基準をクリア。災害に強い丈夫な家という希望も叶えました。シンプルでモダンな暮らしは、リタイア世代の理想のライフスタイルになりそうです。
切り妻屋根の形状を活かした天井は梁を現しにして空間に広がりを与える。
キッチンはリビングダイニングと別にしたいという建主様の希望で独立しているが、扉を設けず行き来しやすいように。
タイル、間接照明、一枚天板、造り付けの収納が一体となった洗面所。表に何も出さないですっきり使えそう。
玄関収納もオリジナル造作で。奥は猫用のトイレ。
収納たっぷりの1階主寝室(写真左)。 2階には屋根裏的に収納部屋を設けた(写真右)。
リビングと廊下の間の猫用扉(写真左)。 2階は主に収納と来客用部屋(写真右)。
片流れのすっきりとした南側外観(写真左)。 玄関側はツートンカラーで表情を(写真右)。