旧泉藩の鎮守、諏訪神社の儀式殿兼宮司職舎の建立を請け負ったのは泉の(有)正工務店。3つの社からなるこの建物は、社長の山崎勝幸さん(一級建築士)による設計です。施主様の「100年以上の耐久性、日本らしさの表現」という要望に応え、日本の伝統文化を伝えたいたいという思いで設計されました。
旧磐城泉藩の鎮守であり、棒術「滝尻の棒ささら」や三匹獅子舞が知られる諏訪神社。正式には「諏訪八幡神社」と呼ばれ、健御名方命(たけみなかたのみこと)と誉田別命(ほんだわけのみこと)が祀られています。大同年中(806-810年頃)に泉町滝尻に祀られ、泉藩の祈願社として延宝2年(1677年)に現在の地へ移されました。今回は、その諏訪神社の儀式殿、そして宮司職舎の建立事業。
泉の正工務店がその大役を任され、今回の普請に。伝統と格式、自然との調和が求められるだけに、慎重な設計が求められましたが、山崎社長、そして棟梁である馬上正さんが見事にその大役を果たし、居住性、快適性と格式を併せ持つ儀式殿と宮司職舎が完成しました。なお、棟梁である馬上正さんは2004年の「ふくしま棟梁賞」を受賞。その技術が高く評価されています。
〜儀式殿〜
内部の柱・建具・壁など総桧造りになっています。
〜宮司職舎〜
2間幅の玄関周りにはケヤキ、杉、カエデなど天然木がふんだんに使われています。
リビングから和室方面を見たところ。飾り棚は備州桧。柱はカヤで尺3寸(約40センチ角)あります。フローリングはサクラの無垢板。天井高は3mで、正面の建具も造り付けです。
クリナップのL字型のキッチンとダイニング。3600×2700+出窓まで一体形成の特注品です。換気扇はドイツ製で庭への視界を遮らない物を選びました。
2間続きの本格和室は客間として使用。畳は御殿表畳。襖も通しで1枚の絵のようになっています。