乗り物を大事にする人にとって、自分の暮らし以上に気をつかうのが、その乗り物をしまうガレージの機能性。雨風をしのぐだけでなく、デザインも重視しながら、自分の暮らしと一体化するようなガレージにしたい。そんな建主の夢を叶えたのが、ガレージのある家を数多く手がけるKD設計【※現:(株)佐藤大建築事務所】でした。
ガレージのある家を多く手がけるKD設計。設計施工する建物の、なんと80%以上がガレージのある家だそうです。今回の建主様も、ネットや雑誌で「ガレージのある家をかっこよく建ててくれる設計者」を探し、KD設計にたどり着いたそうです。
要望は2台分のガレージ+バイク、そして大量の蔵書を収納できる書庫。さらに1階には仕事用の事務所を備え、多機能な家となりました。外張り断熱工法と薪ストーブで暖かさを確保、太陽光パネルも設置して省エネに努めています。また家づくりに積極的に参加して楽しみたいと、自分たちでできるところはやるというスタンスで、壁塗りはほとんどセルフで行いました。
「面積のボリュームがあり、1〜2階の平面外郭がほぼ同形状ということですので、そのまま一般的な高さで造ると、とてもスケール感がでてしまいます。室内の天井高さと階の高さの加減で、外観のボリューム感を極力抑えました」とKD設計の佐藤さん。大きめの敷地に、浮かないようにまとめあげた外観デザインが、かっこよさを醸し出す工夫になっているようです。
ガレージと2階の玄関へ上がる階段(写真左)。 1階右側はサンルームつきの事務所スペース(写真南)。
2階が居住スペース。リビングを中心にほぼワンルームなので薪ストーブ1台で暖める。薪は駐車場から滑車で2階に上げられる仕組み。
正面がテレビスペース。その後ろ側が上下とも書庫になっている。(左上はロフトスペース)
天井高を利用したロフトスペースは畳敷き。
こちらが圧巻の書庫。上下に分かれていてこちらは上部。(写真左側はリビング)
1階の書庫。
キッチンの前は屋根のある板張りのデッキ(写真左)。キッチン前のデッキスペース。朝食が似合いそう(写真右)。
腰壁と天井が杉のバリアフリーな水周り(写真左)。飼い猫が洗面所で用が足せるように専用ドア(写真右)。
大きめの敷地だけに、高低のバランスを考えて、まとまりのあるデザインで仕上げた。木の使い方も秀逸。
書庫からつながるとっておきの屋上テラスも。