今回の建主様は、DIYが趣味で「木が大好き」というご夫婦。家を建てるにあたって近所の江尻建築のモデルハウスへ見学に行ったところ、「無垢材がたくさん使われていて、自然素材や木の温かみが感じられる。」と気に入り、依頼することにしました。
ご要望としては
①年をとってから暮らしやすい平屋建て ②なるべく散らからないよう収納を多く ③キッチンをL型にしてLDを広く、という3点を重視されていました。
平屋建てでも空間の広がりを感じられるように、LDKは25畳の広さと6,000mmの天井高を確保、縦にも横にもゆとりが感じられます。真壁で表しにした檜の柱、杉の梁桁材など迫力のある木の架構美も存分に味わうことが出来ます。また、完全同居型の2世帯住宅になっていて、お母様の部屋の天井高は落ち着きのある高さに抑えてあります。
収納は天井高を利用したロフトがリビングと主寝室、子供部屋にあり、普段使わないものはこちらに収納できます。玄関には3.3畳のシューズクローゼット兼物置があり、ご主人のDIY道具も収納しています。
落ち着いた和モダンの佇まいと大胆な空間構成、そして先々まで家族の暮らしやすさを考えた家になっています。
1.圧巻!天井高約6mのLDK
檜磨き丸太の大黒柱が中央に鎮座する、ほぼ2階建分の高さのあるLDK。生活動線を考え、家の中心のLDKから放射状に居室や水回りが広がる間取りにしました。
居室への入口の前に、柱サイズの檜で縦格子のアクセントをつくり神棚も設えています。
檜の無垢フローリングの床なので、お子さんは基本裸足で過ごしているそうです。
柱・梁・桁など構造材は100%国産の檜と杉で構成されています。無垢の木の架構美を堪能できる仕上げで、木の香りに包まれています。天井は杉板張り、壁は漆喰塗り。
2.キッチンから借景
将来お子さんと一緒に料理を楽しめるように、L字型のキッチンはスペースを広めにとっています。
奥様のアイディアで、裏山を借景できる窓を2箇所。抜け感と季節の移ろいが楽しめます。
3.居室からつながるロフト
約8畳あるロフト部分。物置や子供が遊ぶスペースなどフレキシブルに活用予定。
LDK全体が見渡せ、ここにいると船のデッキにいるような気分を味わえます。
リビングロフトへは主寝室及び子供部屋から部屋専用ロフトを通って行くことが出来ます。
4.格子の建具で和を際立たせる
ワイド幅の廊下。和の佇まいを感じる格子の建具はご主人からのリクエスト。
左よりお母様の部屋、玄関納戸、玄関。欄間も設けています。
小石洗い出し仕上げの玄関の右側は、日曜大工が趣味のご主人の道具をしまう約3.3畳の納戸になります。靴箱はケヤキで造作。
5.日本の無垢材をポイントに
洗面所は水に強いイチョウの一枚板で製作。長さがあるので洗濯物をたたんだりと活躍。ご主人がDIYで作った子ども用踏み台も見事です。
お母様の和室。障子や襖の敷居はサクラの無垢材を。
杉腰板張りの主寝室には、リラックスできるよう光のグラデーションのある間接照明。
6.大屋根の外観
2階建てに見える外観。迫力のある大屋根とダークグレーの外壁材に木を組み合わせて優しい表情をプラス。
壁は耐水性の高いレッドシダー貼りでアクセントを。軒裏は杉材です。デッキはこれからご主人がDIY予定。
3枚引き戸の玄関ドアは、将来車椅子でも出入りしやすいように。ポーチの照明も和を感じさせるものを選択。