山村の自然豊かな敷地に建つ築120年の古民家を解体し、新しく建て替えました。
60代の建主様からは、以前の間取りに慣れているので、できるだけ変えたくないというご要望がありました。
人が集まるときのために三間続きの和室を残すなど、生活スタイルは変えないように間取りはほぼそのままにして、杉、桧、欅、槐(えんじゅ)など無垢の木を適材適所に使い、差鴨居を構造材を兼ねて使うなど昔ながらの和の趣を保てるよう施工しています。
1.解体前・施工中
120年前の建築当初は茅葺き屋根だった以前の家。
30cmの差鴨居を構造体として使用し、真壁で化粧として見せます。
2.新しい外観
外観は現代風に生まれ変わりながらも、昔ながらの和の良さを残しています。
軒は壁から170cm出して、ウッドデッキを施工。濡れ縁のようにちょっとお茶を飲んだり休んだりできます。
3.土間玄関
杉の造り付け下駄箱のある玄関は、土間部分も余裕も持ってとっています。建具はすべて湯本の織内木工所が造作。
欅の式台をぐるっとわまして出入りしやすく。正面は和室前の縁側。
玄関正面の板戸。
4.三間続きの和室
板戸を開けると和室の茶の間。
掘りごたつのある和室は茶の間(居間)として使います。
親戚や友人などが集まったときのための三間続きの和室。梁と柱を現しにする真壁造り。
槐(えんじゅ)の床柱のある仏間。
天井はすべて杉の竿縁天井。木目が温かみを感じさせます。
大工さんの手加工で架構を美しく見せています。
5.水回り
茶の間の後ろに台所。お客様が来たら引き戸ですぐに仕切ることができます。
台所の奥には大型食品庫も備えています。
欅の棚板と杉の扉を造作し、トイレにも和の趣を。
6.主寝室も和室
居室はすべて和室で畳敷き。慣れ親しんだ畳の優しい踏み心地を大切にしています。