いわき駅から徒歩10分ほどの便利な商業地に誕生した3階建ての二世帯住宅。もともとの敷地は細長い土地が南北に伸びる町家型の敷地。さらに、商業地のため準防火地域になっており、3階建ての住宅を建てるにはさまざまな制約がありました。設計と施工は小森工務店。悪条件を攻略した匠の技が光ります。
住宅の敷地は、いわき駅から徒歩10分。買い物にも通勤にもとても便利な敷地です。2本の道路の間に細長い土地が南北に伸びる町屋型の敷地。もともと建主さまの娘家族が住んでいましたが、古く手狭になってきたため、建て替えとなりました。
建主さまからの要望は、細長いけれど120坪ある敷地を有効活用できるよう、1階部分は貸家と貸事務所とし、賃貸収入を見込めるようにというもの。そして、2階は娘家族、3階は建主様と「ゾーニング」して欲しいということ。1階〜3階までがすべて役割の違う空間になります。
また、準防火地域の3階建のため様々な厳しい制限があります。間口の狭い密集地で、大きく窓が取れないという制約がありましたが、風と光を取り入れやすいようプランニング。エレベーターも設置して将来にも備えた頼もしい家です。
小森工務店はそれぞれの年代の暮らし方を考え、無駄なく、子育てが楽しくなるような工夫も凝らしています。自ら左官もこなし、できるだけ自然素材で仕上げ、性能も高い長期優良住宅になりました。
3階部分。リビングダイニングキッチンは人が大勢集まっても安心の大きなベンチとダイニングテーブルを造り付け。
3階部分。ほぼワンルームのような暮らし方をご希望された建主様。 ベッドルームはLDKと壁一枚でつながる。温水式床暖房も完備。
娘夫婦とお子さん二人が暮らす2階部分のリビングダイニングキッチン。「2階は段差をつけたり、ロフトとつなげて広がりがあるようにしたり、幅を広くとって室内物干をかねるようにしたり、それぞれの空間に違いがでるように心がけました。」と小森さん。
こちらも2階部分。リビングに隣接する和室の階段を上がるとロフト。そこから廊下、子供部屋とロフトが続くダイナミックな空間プランニング。
和室から廊下のロフトを通って子供部屋に到着。
外観写真(左)。住宅商業地にすっきりと映える白い外壁の3階建て。ベランダは各階とも庇を大きくとっています。建物の保護とともに採光調整や風雨除けの役目もします。ウェスタンレッドシダーをアクセントに。写真右は子供部屋からリビングを見たところ。壁紙は北欧デザインのものを。
本革取っ手で細部まで手ぬかりなく仕上げている(左)。藁入り砂珪藻土の左官も社内で施工(右)。
2階の和室からつながっている廊下のロフト 。下部は水回りと収納です。夫婦の寝室、子供部屋ともトップライトを設け明るく空気が流れるようにしました。