北茨城市五浦の風光明媚な丘の上に、ひときわスタイリッシュな家が誕生しました。見どころは、南、西、東と三方向を大窓が取り囲むリビング。刻一刻と変わる空の光、そして豊かな自然と向き合える、とても贅沢な空間となりました。
まずご紹介したいのが、何と言っても1階リビングルーム。部屋の南半分が2階まで吹き抜けになっており、その2階吹き抜け部分に、天井までのはめ殺しの大窓が3カ所作られています。さらに1階部分にも窓が2カ所あり、この窓から周囲のダイナミックな自然と、刻一刻と変わっていく空の表情を楽しむことができます。
特に夕暮れ時は、分単位で変わっていく空の表情が視界に入り、とても贅沢なひとときを楽しむことができます。風景がより広々と、そして美しさと見えるよう、ライフデザイン独自で採用している9mm厚の薄いタモ材の窓枠を採用。天井高ギリギリの高さまで窓がはめ込まれているので、広くスッキリと眺望を楽しめます。
この窓、同時に「採光」の役割を果たしているため、家の隅々にまで光が届き、その明るさが、より空間を広く見せる効果も果たしています。家自体はそこまで大型ではありませんが、使い勝手のよいコンパクトさと、見た目の広さが両立しており、ライフデザイン佐河さんの設計が光ります。
リビングの西側にはプライベートコートを作りました。扉を開ければ段差なくスムーズに移動することができます(左)。天井の高さに合わせて作られた窓なので、見た目もスッキリとした印象に(右)。
特に夕暮れ時は、1分ごとに空の色合いが変わります。何とも言えない贅沢な時間。新潟県妻有の「大地の芸術祭」でも知られる、ジェームス・タレルの「光の館」を想起させます。
白を基調にしたスッキリとしたデザインのキッチン。キッチン台も収納になっているほか、後の扉も開けると収納になっており、キッチン周りのものを効果的にしまえます。豊富な「隠し収納」のおかげで、広さ以上のゆとりが感じられます。
玄関から西側。和室、お風呂場へ通じる通路は石張り風のタイルで仕上げています。リビングスペースを段差をつけることで、部屋を仕切らずにゾーニングしました(左)。写真右は、玄関扉から見たプライベートコート。通路の左がリビング、右が和室と浴室スペースとなる。玄関の両側は壁面収納になっており、扉を閉めればスッキリ。
1階西側のバススペース。石張りのデザインと白を基調にしたデザイン。バスルームに窓を2箇所配し、ここからも景観が楽しめるように。
1階中央のプライベートコート。プライバシーを守るためにルーバーになっていますが、可視性は申し分ありません。このプライベートコートを取り囲むように、東側にリビング、北側に玄関、そして西側に浴室とサニタリーを配置しており、全体が「コ」の字の構造になっています。この「コの字構造」で第2の半外リビングを創る手法は、ライフデザイン佐河社長の得意とするところ。
2階には旦那さま用の書斎スペースを設けました。1階リビングを見下ろせる場所にあり、1階と会話するにも問題ありません。もちろん、窓からの採光も素晴らしく、旦那さまのお気に入りの場所になりました。
2階主寝室。カーテンを開け放てば豊かな日差しが入り込みます。素晴らしい一日の目覚めを提供してくれそうです。クローゼットも広く使い勝手は◎。
レンガで壁を仕上げた玄関。玄関の扉をあければ、真っ正面にプライベートコートが見え、ルーバー越しに大自然が視界に入ります。
住居北側。「住まいというのはプライベートな空間でもあるため、人通りのある住宅地側には閉じてプライベートを守る一方、南側の大自然に対しては逆に開かれているような設計にしました」とライフデザインの佐河社長。閉じていながらも、夜には照明で街並みに光を添える心配りも。
【建主様より】
ライフさんの社長は一見コワオモテだけど猫と子供が大好きみたいで(笑)。そんな社長さんの自邸を見学して、デザインを信頼していたので特に要望もなくお任せしました。場所を北茨城にしたのは嫁がこちら出身ということもありますが、いわき市内は土地が高騰していて建物にお金をかけられないというジレンマがありました。北茨城だと坪7万円でこの眺望が得られたので考えようだと思います、というか大満足です。
勤務の関係で夕方頃帰ってくるのですが、お気に入りの場所から陽が暮れる様子、山の稜線が染まるのを日々眺めているのが最高の時間。もう家が趣味といってもいいくらいです。太陽も雨も雪も、日々それぞれの美しさを楽しめますので、気に入った瞬間はついiPhoneで撮っています。我が家も最近猫を飼いはじめまして、家にいる至福の時間がさらに増えた感じです。
「建主さま撮影のMY HOME」