今回ご紹介するのは家ナビでは珍しい会社の厚生施設で、「倶楽部だいのやま」は建主様が建物に命名した愛称です。湯本の温泉を心ゆくまで楽しめる会社の保養兼研修施設として建築された今回の建物。目的は主に3つあります。
1.欧州からのお客様が多い建主様が、お客様をもてなす「おもてなし」のゲストハウス
2.社員の保養や研修の場
3.管理人を兼ねた社員の寮
22畳あるLDKが建物の中心で、木がふんだんに使われているのがひと目で感じられます。外国の方は日本の木の文化に関心が深く、桧や杉をとても日本的だと感じています。この建物にはあつ密すぎフローリング、杉壁板、杉の一枚板テーブルとベンチなど実際に体に触れる部分に木を多用し、肌で感じて頂けるようになっています。
さらに、湯本ならではのお楽しみと言える温泉も引いており、大きな浴室をしつらえました。岐阜から取り寄せた汚れにくい加工を施した特注の檜風呂は、ゆったりと入浴することが出来、温泉風情が楽しめます。
また、研修施設として打ち合わせから宴会まで対応できるよう、オープンキッチンと一体化したカウンターを設置するなど、大人数の会合にも対応できるようになっています。
変形敷地に、母屋住居+厚生棟の2棟建設のためプランニングは大変でした、と設計担当の北瀬さん。周辺環境の眺めもよく、大きな窓から線路と道路が立体に並走しているのを眺めるのも一興。途中から寮としての用途も追加され一部2階建てとなりました。
たくさんの用途を一つの建物にまとめ、日本的なおもてなしも加えた今回の建物は、訪れた人が心から満足し、きっとまた訪れたくなるでしょう。

2棟からなる建物。左側が居住棟で右側が今回ご紹介する厚生棟。

22畳のリビングはあつ密すぎフローリングと杉羽目板の壁。



カウンターと一体型のアイランドキッチン。時には出張シェフを招いてお客様へおもてなしを。

特注の檜の浴槽。壁は水に強いヒバ材。シャワーは2箇所あります。

窓の外には坪庭があり、露天気分も味わえます。



玄関には建主様が選んだ日本画と直筆の木製看板をあしらっています。

玄関脇に約6畳の応接スペース。


宿泊部屋の横から2階の管理人室に続く階段。一本階段なので途中に踊り場を設けています。

2階の管理人用個室。