もともと建っていた平屋の住宅を解体して二世帯住宅へと建て替えたお住いです。少しでも昔の家を感じることができるように、という建主様のご希望を叶えるために、古い建物の床柱は新しい家のリビングに、瓦もエントランスのアプローチの壁に埋込み、以前の建物の記憶も残しています。
お施主さんが新建材(特にビニルクロス)のにおいが苦手だったため、LDKは漆喰と無垢材の自然素材で仕上げています。寝室の壁紙も化学物質を一切使用していないオガファーザー(木と再生紙が原料)の上に、空気をきれいにしてくれる漆喰調塗料を塗装しました。このあたりは自然素材を熟知し、自ら左官も塗装も行う小森工務店の得意とするところ。そして建主様もその家づくりへの姿勢に共感して依頼したという経緯もあります。「木部や寝室の漆喰塗装など塗装工事は建主様も参加されているので、セルフメンテナンスに強いと思いますよ。」と小森さん。
2Fの深い軒とバルコニーは自然環境をアクティブに取り入れる重要ポイント。夏は日射しを遮り日陰を作り、冬は高度が下がった日射を大きな開口で存分に取り入れています。断熱は壁に北海道仕様のグラスウール120mm、天井はセルロースファイバーを300mm吹き込み、Ua値で0.47と断熱性能を高め、住む人の快適さ、ノンストレスな温度差を実現しています。
リビングの壁や階段にアール(丸み)を設け、漆喰のあたたかみを引き立たせます。
このアールの裏側は水回り。奥の和室はお母様の領域。
二間続きのお母様の部屋。寝室部分はベットで寝起きが楽なように洋室。
アールの裏側の洗面脱衣室。左側がバスルーム。ハイサイドライト(高窓)で光を取り入れています。
前の家の柱を思い出とともに再利用。以前梁が指してあったところには白い漆喰を。
(ちなみにこちらの物件では黒を塗装)
玄関は土間感覚でリビングと繋いでいます。奥にシューズクローゼット。天窓で採光も。
木部と漆喰を柔らかに組み合わせるのは小森工務店ならでは。
フリースペースの箱階段の上はロフト。容量があるので使い勝手がよさそう。
二間続きの2階寝室。アコーディオンドアで仕切ります。洗濯物がすぐにたためる折りたたみ台が便利。
寝室の一角に設けた窓から1階が見渡せます。撮影した寒さ厳しい日も大きな窓から冬の陽射しが降り注いでいました。
南側外観。大きな開口部と大きな屋根が浜通りの陽射しと風を効果的に取り込んでいます。