南側の大きな開口部は、良好な採光・通風・眺望をもたらし、 上部にかかるキャンティレバーの深い庇が強い陽射しを遮り、心地よい屋外空間をつくる。
〜海岸通りのいえ〜
”日常でありながら、非日常のリゾート空間を創造し、福島で暮らす”
施主は、そもそもこのロケーション・立地が気に入ってこの土地を求めた。 要望は、意識せずとも自ずと導かれて聞こえてきたが、あえて言うなれば、 ・海辺を感じる空間・水平線を望める窓・星を眺める窓と星空テラス・ 水平線と一体となるようなバスタブ・ドラマティックな空間演出・ 日常でありながら、非日常のリゾートのような空間ということだった。
津波浸水区域であったことからも、1階を居住スペースとすることは避け、ガレージとエントランスのみとした。 1〜3階まで、ほぼ同じ面積であり、然すれば単調になりがちな外観だが、効果的な屋外空間のレイアウトによって 印象深く、開放感のある外観となっている。
佐藤大
① 外観・外構

大きなバルコニーと庇をオーバーハングさせ建物を包む役目とともに、外観の表情を開放的に。土地の有効活用にも。

建物東側にガレージ。扉は木製横開き。

白い砂利石、擬石タイルでアールを付けたアプローチ、シダ植物で玄関周りも海を感じるデザイン。
② 1階 エントランス+ビルトインガレージ◆

大きな鏡が出迎えてくれる玄関。右手からガレージへと通じる。

車2台分駐車可能なビルトインガレージ。
③ 2階 LDK◆

2階はLDK。長毛種のチンチラ猫2匹と暮らしているので、メンテナンスを考慮し、床は掃除のしやすいタイル貼り。猫が白毛なので白。

フルオープンのサッシを開け放すと大きなバルコニーと一体化。冬から住み始めたので夏が待ち遠しい。

ベランダ側から室内。大きな庇があるので全天候型に過ごせる。


キッチンから国道6号線と海を切り取る。海沿いのカーブを走る車を眺めていると時を忘れる。
(「かみだな」も祀られていました。)

キッチンはサンワカンパニー。猫が出入りできる工夫も。奥の扉の後ろに冷蔵庫とパントリーを隠してスッキリ。

1階から3階まで階段の手すりには間接照明をビルトイン。建主様のアイディア。
④ 3階 寝室+バスルーム◆

3階は寝室とバスルーム&サニタリー。廊下は下部をくり抜いてここにも間接照明(上部は収納)。圧迫感を感じさせない工夫。

散らかりがちな洗濯廻りもドア1枚で隠せる。

3階の海も星も見渡せるバスルーム。脇にベランダもある。

バスルーム全体写真。洗面脱衣もトイレもワンルームに収めてある。

三角バルコニー付きの寝室。ここからも海が望める。