住む人のいなかった古民家が、再び人が集う場所に生まれ変わる。そんな古民家再生。家の中心には囲炉裏をしつらえ、「古き良き暮らし」の良さも体感できる家となりました。空き家が社会現象化する日本。古民家再生リフォームが、少しずつ社会を変えています。
ご定年後、現在住んでいる家とは別にある、誰も住んでいない実家が気がかりだった建主様。住む人のいない家はどんどん荒れてしまいます。造り酒屋だった築60年の家は、建てた当時からすでに古材が利用されていました。それをまた再利用して、住み直すことはできないか。声がかかったのが、小林建築工房でした。
すべての部屋をきれいに住みやすく改装。古民家の雰囲気を壊さないよう、純和風のデザインで仕上げています。また活かせる材料はとことん活かし、仏壇と整理棚はそのまま利用。古美た雰囲気や歴史を引き継ぐ、重厚感のある家が完成しました。
人が集う玄関先には、広い庭で畑仕事の後、靴のまま入れてくつろげる囲炉裏スペースも作りました。土とともにある暮らしには、やはり土間の玄関が似合います。誰も住んでいなかった家が、人が再び集う場所に生まれ変わった古民家再生。長い休みには、親戚の方々もこぞってまたここに集まって来るでしょう。

畑仕事のあとそのまま土間で作業したり、囲炉裏でくつろいだりできる仕様。

台所側から囲炉裏方面を見たところ。

囲炉裏まわりはほとんど新しい材料です。床板の「あつ密すぎ24」と杉材の建具が古民家に合うので雰囲気を崩しません。


1階・2階ともそのままでは住める状態ではなかったので、全面リフォームしました。日本間の間取りはほぼそのままです。見違えるようにきれいになりました。1階・2階とも、まわり廊下でぐるっと一周できます。壁は外部も中部も漆喰塗りです。

まだまだ使える木の質感が美しい仏壇と整理棚はそのままに。

外観はほとんど変わりませんが、東側は外壁を後退させ庇を大きくとってます。玄関のたたきと犬走りはコンクリートではなく加工土。