豊田設計事務所より
ーコンパクトに移住ー
今回の住まいは、遠方からいわき市への移住を決められたお客様をご紹介いただいたことから始まりました。
計画したのは、延床面積16坪の平屋。コンパクトなお住まいだからこそ、素材の心地よさと断熱性能の高さを大切に計画しました。
ー美しく古びるー
まず外観で大切にしたのは、時間とともに育つ美しさです。外壁には、無塗装・30ミリ厚の杉板による【目透かし板張り木外装工法】を採用しています。塗装を施さず、杉そのものの風合いを活かすことで、時間とともに表情が変化していきます。
外構の塀も同じ杉の無垢材で施工し、建物と外構に一体感をもたせました。塀は雨がかりとなるため、木材保護塗料「ウッドロングエコ」を塗布しています。
ー高い断熱性能ー
いわきの冬を暖かく過ごすための「性能」にも妥協はありません。断熱材は、天井300ミリのブローイング、壁210ミリ、基礎断熱100ミリを確保しています。外気の影響を受けにくく、エアコン1台で全室暖房が可能です。平屋ならではのゆるやかにつながる空間で、冬でも快適に過ごせます。
ー広がりを感じさせる設計ー
リビングとキッチンの間には、大きな造り付け家具を設けました。キッチン側には冷蔵庫と食器棚、リビング側には本棚とベンチを組み込み、床下用エアコンも一体化しています。壁で区切るのではなく、家具でやわらかく空間をつなぐことで、16坪という広さ以上の広がりを感じられます。この家具は無垢の集成材を用い、大工の手で丁寧に製作しました。建築と素材をそろえることで、空間に統一感をもたせています。床はアカマツの無垢材に蜜蝋ワックス仕上げとしました。
ーていねいな家づくりー
お客様は遠方にお住まいであったため、設計から施工までこまめにメールでやり取りを重ねました。設備はお互いの中間地点にあるショールームで実物を確認しながら選定しています。
高断熱と自然素材のやさしさを併せ持つこの平屋は、コンパクトでも豊かに暮らせる住まいです。小さくても工夫と素材で心地よさをつくり出す――そんなていねいな家づくりを大切にしています。
1.懐かしくも新しい杉板張り
閑静な住宅街で、ひときわ目を引く、すべて杉板張りの外観。通常は間柱として使用する厚さ30mmの杉板を塗装なしで仕上げています。目透かし板張り木外装工法という、ノーメンテで30年以上の耐久性を持つ新しい工法を採用しています。
塀は雨がかかる時間が多いので対候性のある「ウッドロングエコ」を塗装しました。設計事務所自ら施工&塗装してましたよ。
目透かしの杉厚板の下は防水シート。「通気工法を採用しているので、外装木材は四周表面が常に空気にさらされるため、雨が降って木材が濡れてもすぐに乾き、内部に浸透しない」とのこと。
玄関アプローチは余裕のある配置。軒も大きく出して外壁と歩く人を守ります。
玄関框の見切りをアルミで薄く収めているところがポイント。
2.造作でつなぐLDK
オープンなLDKを、中央の造作家具がゆるりと仕切ります。
壁で区切るのではなく、家具で空間をつなぐことで、16坪という数字以上の広がりを感じることができます。
赤松の無垢フローリングを採用
床と揃えた松の集成材で仕上げた造作家具。リビング側は本棚とベンチになります。床下エアコンも組み込んでいます。
キッチン側は食器棚と冷蔵庫置き場になります。
3.プライベート空間
奥に大きな収納を備えた寝室。
収納側から。正面には押し入れ。引き戸は入口と兼用。
寝室からLDKまで視線と風が抜けます。
トイレもコンパクトながら窓の配置で抜け感をプラス。















