第24回「ふくしま住宅建築賞」奨励賞受賞
遠野町で農業を営むご両親が新居を建築するにあたり、建築士の息子さんご夫婦が設計した家です。地元で旧知の鈴平ニューホームが施工を担当しました。
材料の杉などの木材も敷地の中から切り出し、手刻みの構造材はもとより、仏壇や建具などの造作も地元の職人さんが携わった、まさに地産地消の「つながりの家」です。
建主様(ご両親)からのご要望は…
・作業場と住居部分の出入り口を分ける、作業着を脱ぐスペース等
・居間には吹き抜けがほしい(父)、裁縫ができる場所を居間に設けたい(母)
・北側(廊下、トイレ、浴室)を明るくして欲しい
・建具はできるだけ引き戸
・アイランドキッチン
「要望をじっくり聞きながら設計には1年ほどかけ、図面の反応を見ながら納得してもらいながら計画を進めました。」と栗山さん。
外観は静かな山間に佇む農家らしいどこか懐かしさの残るデザインですが、室内は天井も高く、明るく広々とした現代的空間になっています。人が集まることの多いご両親のために居間を中心に配し、アイランドキッチンなど動線も工夫し、吹き抜けと高窓で明るく開放的な空間になりました。
遠野の町の地産地消でつながる家づくりは、「ふくしま住宅建築賞」奨励賞受賞という大きな喜びにつながりました。(※知事賞以外は設計者と施主のみが表彰されるのですが、
杉の腰板と大きく出した庇が和の印象の外観。採光・通風用に高窓を取り入れていますが、外観上のポイントにもなっています。
地元の木をふんだんに使った主玄関。常にきれいな状態でお客様を迎えられるよう、農作業用の玄関は別にあります。
建具はすべて引き戸で造作されています。
来客が多いため居間を真ん中に配置し、吹き抜けと高窓を設け大きく明るい空間としました(約35畳)。
息子さんが設計し、敷地内から切り出した杉を使い、地元の大工さんが建てたまさに地産地消の家。
杉の柱、丸太の梁などダイナミックな構造も表しで見せます。
無垢材の建具も全て地元の職人さんの手によるもの。大胆な梁から繊細な造作まで様々な木使いが楽しめます。畳はこたつスペースに。
お母様が希望したアイランドキッチン。人が集まるときは大勢がキッチンに出入りするのでアイランド型がとても便利とのこと。
「居間に縁側のような空間を設け、母が裁縫ができる場所を障子などで分断せず居間と一体的になるように計画しました。」と設計の栗山さん。
「建具のない縁側」といった感じの明るいフリースペース。
日当たり良く暖かいお母様の裁縫コーナー。小物収納も設置。
玄関を挟んで居間と反対側の和室(客間)。庭の緑が望めます。
北側は閉鎖的になりがちですが、天井を高くして開放感のある息子さんの部屋。
北側が暗くならないように天窓で光を取り入れます。お父様のお気に入りポイントです。
2面採光のご両親の主寝室。
主寝室に着物も仕舞える引き出し付きのウォークインクローゼット。
左が鈴平ニューホームの平子社長。人が大好きな建主様との話しは尽きません。
家業は、自然農法の農作物と平飼いの養鶏卵が評判の農園です。