いわき駅近の高台の住宅街の旗竿型の土地に、30代前半のご夫婦が建てたマイホーム。「古い言い方かもしれないけど、30歳位で一国一城の主とというか、一家の主となって家を持ちたかった。あと、アパート代もったいないし(笑)」とご主人。
旗竿型の変形敷地は、せっかくだからありきたりの家にはしたくないと考え、設計者を探していたときに、どうしても気になっていた郷ヶ丘の家の設計者が判明。それがKD設計【現:(株)佐藤大建築事務所】でした。
土地は80坪と大きいものの、旗竿型の土地は出入りがしづらかったので、敷地の中で車が切り返し出来るスペースを確保し、建物自体は約30坪に抑えました。その中に奥様が6月から開業予定のエステサロンも併設しています。
「床面積のボリュームを抑えつつも、屋内空間と屋外空間に同一のマテリアル(レッドシダー)を用いることで有機的に空間に広がりを持たせ、開放感を演出しています。エントランスホール(通り土間)の吹き抜けも存在感を放ち、吹き抜けのガラス越しには、お隣の寺院のけらば(螻蛄羽)が垣間見れ印象的です。」と設計担当の佐藤大社長。
「エントランスホールからは直接パティオにアクセスできるので、ガーデンパーティーの来客もスムーズに案内可能です。また、エントランスホールからはエステサロンにも通じ、さらにサロンはパティオにも面しているので、開放感とともに癒しのひと時を過ごすことができます。コンパクトながらも、ダイナミックに効率よくまとめられた住宅となりました。」と佐藤さん。
ファーストプランを一発で気に入った建主様ご夫婦。「なんで最初に書いたアンケートだけで、自分たちの好みにピッタリのプランが出てきたか不思議(笑)」と観察力に驚いていました。
大きく取った駐車スペースの奥に横に4層になった建物、吹き抜けのエントランスで右にエステサロン、左に居住スペースと分けている。植栽・庭は実姉(Tiny ground)が手がける。
上部は2階までの吹き抜けているエントランスは、奥にはパティオと繋がり、抜群の開放感でお客様をお招きする。右手手前が倉庫で奥がサロン。
パティオ側からエントランス方向。右手が居住スペース玄関上り口。
パティオに面しコンパクトに効率よくまとめられたサロン。店舗兼住宅は子育てしながら働くには理想的な環境。
エントランスホールを抜けるとタイル貼りのパティオ。レッドシダーが内部空間から続き、連続的な空間の広がりを導く。
パティオ側から室内。1階はLDKと水回りだけの構成。キッチン以外は間接照明。リビングの照明はまだ出会えていないとのこと。
パティオに続くサッシはフルオープン型。「子供の頃、親父が火鉢で何か焼いて食べていたのをすごく覚えていて、自分も外のテラスでやりたかった。」とご主人。
大きなソファーと置いたリビング。北側からの落ち着いた光も取り入れる。
壁面に貼ったレッドシダーが印象的な室内。「木の質感も理想通り。」
両側から出入りできるキッチンは、後部に造り付けた収納で、散らかしがちなものも隠して収納。
LDKから一段下げ、プライベート感を増した水回り関係。トイレの壁はオリーブグリーン色。「とても落ち着きます。」とのこと。
階段の途中にベランダへの出入り口。
2階主寝室。テレビ用の棚を設けたことで圧迫感を解消。
南側外観。コンパクトながらダイナミックな空間活用で、抜群の開放感を生み出していることが伺える。