いわきの暮らしのコラム
いわきの暮らしをDIYでデザインする
ヘアサロンSLUNDRE 小松 伸満さん

いわき市鹿島にオープンして1年余り、いわきを代表するヘアサロンとして急成長を遂げている「SLUNDRE」というお店があるのをご存知の方も多いと思います。そのお店のヘアスタイリストが実はDIYの達人だという噂を耳にした家ナビ編集部は、先日、さっそくお店に訪問し、代表でヘアスタイリストの小松伸満さんに、家具づくりの実態とDIYの魅力について話を伺ってきました。

(※D I Yとは…専門職でない人が、自分自身の手で何かを作ったり、修理したりすること。Do It Yourselfの略)


いわき市鹿島にあるヘアサロンSLUNDRE。都内の人気サロン「8 1/2(エイトアンドハーフ)で店長を務めるなど、トップヘアスタイリストとして活躍していた、いわき市出身の小松伸満さんたちが中心となって立ち上げられたお店です。コンセプトは「突き抜けたヘアサロン」。福島市の若手建築家アサノコウタさんに建築デザインを依頼し、木質材料がむき出しになった大空間が世界各国の建築雑誌などに取り上げられるなど、技術だけでなく空間としても突き抜けたお店として知られています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERASLUNDREの店内。大胆に切り取られた窓や「三角」を軸にデザインされた大空間が魅力。建築デザインはアサノコウタ。

IMG_4968小松さんはSLUNDREの代表でありヘアスタイリスト。

 

―オープンから1年あまり。いわきに戻ってきてからの手応えはいかがですか?

そうですね、開店当初から「突き抜けたヘアサロン」を掲げてサービスを提供してきましたが、想像以上に皆さんの反応がよく、手応えを感じています。いわきってこんなにオシャレな人がいたっけ? なんてびっくりしてしまうほど、感度がいい若い人たちが多いし、ここから文化を発信していけるんじゃないかと思っていますよ。それから、アサノさんのデザインもすごく反響があります。日本だけでなく、フランスやスペイン、中国やロシアなど各国の建築雑誌などで取り上げて頂きました。

―素晴らしい内装ですよね。そして、その独創的なお店のなかにいろいろな家具がありますが、小松さんがDIYで作ったものもあるとお聞きしています。本当ですか?

はい。そうなんですよ。自宅で使う家具だけじゃなく、店の中で使う家具や備品、棚なんかも自分で作っています。もともと東京にいる時からDIYで家具づくりをしてはいたのですが、こちらに来てから火がついた感じですね。アサノさんに建築デザインをお願いしたときも、自分たちで壁の板を打ちつけたり、棚をカスタマイズしたりと、DIYで作ったものがけっこうありますよ。

昔からインダストリアルデザインが好きで、特にアメリカの60〜80年代の家具が好きですね。東京で1人暮らししていた頃は普通に家具屋さんで買ってたんですが、都内で妻と2人暮らしを始めるというときに、棚や台がそれぞれ一人暮らし用のものだったので、収まりきらなかったんです。それで、大きさや価格なんも含めていろいろ考えた結果、自分で作ってしまったほうが速いんじゃないかと。それでテレビ台と本棚を作ったのが最初です。実は今も使ってますよ。

DIYで作った家具は自分で構造がよくわかっているので、後でいかようにも作り替えられるのがいい。やっぱり自分で作ったものなので愛着もありますし。ライフスタイルに応じて、小さくしたり付け加えてみたり、そうして「受け継がれていく」のがとてもいいと思います。一番最初に作ったテレビ台は、広島にある材木屋さんから足場板の古材を仕入れて作ったんですけど、その板は今は棚板になってます。リユースというか、リプロデュースというか、ちゃんと生き続けるのがいいですね。

DSC_2996ヘアカラー材などを置く棚の下においたゴミ箱も小松さんの自作。ゴミ袋が飛び出さないように板に溝を作りそこにひっかけるスタイル。

DSC_3000こちらは車輪のついたキャビネット。実際に使う人が考えた家具なので勝手が良く使いやすいのが特徴。

DSC_2992小松さんの最近の作品がこちらのドライヤーホルダー。こちらも使い勝手を考えた実用的なデザイン。

 

―東京にいた時から今くらいのペースで作っていたんですか?

いやいや、そんなことはないです。東京だとホームセンタ—が近くにないし、電車でサブロク板とか持って帰れないじゃないですか。それに東京だと部材が高いですし。でもいわきに帰ってきて、こちらは基本的に車社会だし、近くにホームセンタ—や材木屋さんがある。自分たちで持ち運べますから、DIYって「地方だからこそ」楽しめるものだと思いますよ。休みの日はあらかた何かしら作ってますね。すっかりハマってます。

最近は、アサノさんが使っていたこともあって「LVL」という積層板にハマってまして、近くの材木屋さんで購入してくるんですが、細かいところまで寸法もカットしてくれるのですごく助かっています。加工もしやすいのでDIYにはぴったりの素材ですよね。最近だと、それでドライヤーのホルダーとかも自作しました。なんか最近は腕があがってきたことを実感できますね。前よりクオリティがあがってきてると思います。

―DIYで家具を作り始めて、これはよかったなあということってありますか?

そうですね、やっぱり自分自身モノを作るのが好きで、そういう意味ではオンとオフの切り替えがすごくうまくいくようになりました。やってるときは仕事のこと忘れて没頭できますからね。その切り替えがうまくいくことが、仕事にも集中できる環境を作っていると思います。

でも、まっすぐに切るために脇を締めたり、雑念を振り払って目標に向かって一発でスパっと切らなくちゃいけないのは、ヘアカットと似てるところもあったりしますね。切り替えられているけれど、底でつながってるような感覚でしょうか。そういうのはとても面白いですよね。

D7H_9521部材調達のために足を運ぶのが正木屋材木店。自家用車に部材を詰め込んでお店を往復。

DSC_2461休みの日は家具づくりに没頭。「オンとオフの切り替えができるのが魅力」と小松さん。店の外にあるテラスが小松さんの工房。休みの日は工具の動く音が聞こえてくる。

DSC_3004小松さんが自作したアーミー仕様のボックスを開けると・・・・

DSC_3009そのボックスの中には家具製作のための機材や塗料がたっぷり。プロ仕様。

IMG_5712小松さんが作ったテーブル。色違いの素材をパズルのように組み込んでいくのが小松デザイン。

IMG_7768小松さんが最近ハマっているLVL(積層板)を使ったテーブル。

804610_902891146465068_433316674_n12178254_902891136465069_1045984006_n異素材を組み込んだテーブルと、お店のデザインと同じ三角を取り入れたテーブル。いずれも小松さんの作品。

 

―DIYの達人として、これから始めてみようという人に助言はありますか?

まずは観察することが大事だと思っています。それにはまずいい家具をよく見ておくこと。どう作ったら丈夫になるか、どう作ったらよいデザインになるか。それをよく見ておくことですよね。たくさん観察する中で、これのここがいいなとか、こういうデザインが好きなんだなってわかってきます。

そしてそのうえで、「自分が作りたいものをつくる」ことですよね。自分が楽しくないと意欲も湧きませんし、別にお金を儲けるために作るわけじゃありません。わたしの場合は、家具づくりが、間違いなく今の生活にメリハリを生んでくれてると思います。そしてしっかり形に残って実用的。とてもいいサイクルで仕事にも家具づくりにも打ち込めています。DIYをやるなら、わたしはこのいわきの環境はとてもいいと思いますよ。

お忙しい中、快く家ナビの取材を引き受けて下さった小松さん。一言一言に、ものをつくることの楽しさと熱意が感じられました。小松さんのつくる「造形」は、「ヘアスタイル」にとどまらず「家具」にもそのこだわりが通底しています。お店に行く機会があったら、ぜひその家具や内装にも着目してみて下さい。いわき家ナビも、これからの小松さんのDIYを追い続けたいと思います。

 

○店舗情報○

SLUNDRE
住所:〒971-8144 福島県いわき市鹿島町久保3-3-9 2階
電話:0246-84-8568
営業時間:平日・土曜日:10:00〜20:00/日曜日・祝日:10:00〜19:00/定休日:月曜日、第三火曜日