最小の床面積に、最大の広がりを。
ご両親が住まう既存建物への増築として計画された今回の住まい。建主様からは「建設費を抑えた建築計画」と「広がりを感じられる空間性」というご要望をいただきました。小森工務店が出した答えは、床面積を最小限に抑えつつ、空間を立体的に活用する構成でした。
01. 建築のプロが紐解く「面積以上の開放感」
建設費を抑えるため、延床面積は約16坪(53.47㎡)と最小化し、住まいの中心に吹き抜けを配しスキップフロアを採用しました。上下階に移動するたびに視線がタテやナナメへと次々に展開・拡張することで各所に「余白」が生まれ、視線が開口部を介して外部へと抜けていくことで、実空間以上の広がりを感じられる場となりました。
02. 素材を絞り込み、空間に「垂直性」を与える
内部空間のデザインは、垂直性を表現すべく、ラワン合板だけでシンプルに構成しています。素材が持つ大らかな木目を活かすため、あえて「横張り」で構成し、重なる木目が地層のように展開しています。
また、杉の柱や梁、米松の垂木、天井の構造用合板など、構造材をそのまま見せることで、木の温もりも感じられる意匠としています。
03. 既存建物への増築(法規への適応)
今回の計画は、建築基準法施行令第137条の2第2号イを適用した増築計画です。法的な制約と予算をクリアしながら、既存建物に最善な方法で増築しています。
「広く造る」のではなく「広く感じさせる」。設計の工夫次第で、コンパクトな住まいはここまで豊かになります。コストを抑えつつ、自分たちらしい空間を手にしたい。そんな方のヒントになるお住まいです。
1.玄関~LDK
玄関からキッチン側。1階のLDKは広さはありませんが、開放的な縦の伸びやかさにより、「空間すべてがリビング」という感じがしてきます。視線の抜けが得られるよう窓の配置も細かく計算されています。
家に合わせてフルオーダーのキッチン。
構造上の筋違をデザインに取り入れた窓が印象的です。
キッチンから玄関方向。隣が母屋です。玄関から水周りは土間コンクリート仕上げになっています。
キッチンの裏に最初の階段
2.吹き抜けるスキップフロア
階段を上がるとまずはスタディ&収納スペース。3人並んで作業ができます。
さらに半階上がると
(階段途中)
本棚のあるフリースペースになります。壁のラワンベニヤを地層のように見せているのも面白いですね。
最後の階段を上がります
こちらは主寝室になる最上階から
最上階からの眺めも圧巻の吹き抜けです。
3.水周り
水周り関係は1階です。コンパクトにまとめていますが、ここもラワンベニヤ使いなので統一感があります。
柔らかな光が差し込むミニマムなトイレ。水周りの床はすべて土間コンクリートです。
















