木の家、自然素材の家に暮らす。
実のところどうなんでしょう。
メンテナンスや経年変化への不安、期待など様々あるかと思います。
実際に木の家を建てて住んでいる方を訪問しました。

素材として杉が大好きだとおっしゃるオーナーは経年変化で木の味わいが増せば増すほど家への愛しさも増していっているようです。
こだわりというより好きなものを選びに選んで大事に使うライフスタイルと木の家の古美(ふるび)かたが絶妙にマッチングした、真似できそうで真似できなさそなシャビーシックな暮らし方をぜひご覧ください。



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建主様より

『自然素材で家を建てる』という雑誌の記事を見て「コレだっぺ!」と思って建てたこの家に暮らして十年が過ぎました。
家の中を見渡して目に入ってくる素材は、主に杉とシナベニア、鉄です。
自然素材の家を建てようと思った理由は、何と言っても見た目のかっこよさからです。
節だらけの杉板の無骨さや滑らかなシナべニアの美しさ、新建材にはないかっこよさを感じました。
今でもやっぱりかっこいいなぁと思います。そう思える空間で生活できることはこの上ない幸せです。

ご存じのとおり無垢材の中でも杉はとても柔らかく、すぐに傷や凹みができます。
五人家族で過ごした十年を経て、LDKの床はすり減り傷だらけです。
でもそんな床が私の眼にはますますかっこよく映ります。
これは自然素材の良さかもしれません。
木の家では経年変化は味わいとなり、その変化を楽しむことができます。
時を重ねるごとに愛着が増していく家、それが「木の家」だと思います。

もちろんいいところばかりではありません。
家の中で失敗したかなぁと思うところは浴室です。
浴室はコンクリート打ち放しで壁と天井を檜張りに、浴槽はサワラにしたのですが
メンテナンスがとても難しく、いずれはタイル張り+猫脚ポリ浴槽にリフォームする予定です。

が、メンテナンスという点では浴室以外の場所はとても楽です。
壁と床(シナべニアと杉)には最初に蜜蝋ワックスを塗りましたが、その後は特に何もしていません。
(キッチン部分の床や洗面所、トイレなどの水回りは二度塗りしました。)
そして特に気を付けていることもありません。

よろしければまたぜひ十年後に取材にいらしてください。
子どもたちが全員巣立った後、夫と二人で「本当に住みたい家」を完成させたいと思います。

1.基本、杉です
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基本構造部と床は杉。壁はシナベニヤが美しく飴色に育ってきました。
床材は最初に蜜蝋ワックスを塗装したのみ。 その後特にメンテナンスはなしとのことで潔よすぎです。
子供たち3人はリビングで勉強したりパソコンしたり、自然とここに集うようです。


2.水回りも杉ですが、それだけではありません

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洗面所とお風呂。なんとお風呂は坪庭に浴槽が出せる仕組み。(可動浴槽!)
高めの塀で囲ってあるので心置きなく露天風呂が楽しめます。
水回りも杉ですがお手入れが良いのかきれいなまま深みが増しています。


3.小物も一緒に年を経てゆきます

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4.細く、広く、設計の妙

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玄関開口は狭く、中に入るとガラスを効果的に使い開放的に。このあたりは設計の妙。


5.どこにいるのか忘れてしまいます


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かなりの凸凹変形敷地を活かし 作業用のアトリエ、物置などが緑の中に点在。
オーナーがこの変形敷地を初めて見たとき、きっと心の中でニヤリとしたことでしょう。