ご両親と建主様が建て替えで住まわれる家です。
サラサホームの大屋根デザインの家が気に入って、スタイリッシュかつ和が感じられる家をご希望でした。しかし、デザイン的なご要望を実現する前に、まさにその名の通り壁のように立ちふさがったのが家の前面の高い擁壁でした。さらに敷地自体が東向き、家の玄関側には駐車場が4台分必要、両親のことを考えて生活空間は1階にしたい・・・。敷地は102坪ありますが、全部の要素を入れ込むとキャパオーバー。いかに明かりを取り入れつつ建主様のご希望を取り入れるかがポイントとなりました。
建主様が気に入って実現した、和を感じるサラサホームの大屋根の家。(実際のパース)
玄関を入ると、左右に収納があります。右側が大物や洋服、左側がシュークローゼット。どちらも大容量で、玄関で家の中に入れるものの取捨選択ができます。
鈴木社長曰く「サバンナ効果」の奥の洗面化粧台。廊下幅は1200mmあるので車椅子にも対応できます。
サバンナ効果
森の中からサバンナ(熱帯草原)を見ると、草原のほうが明るいので安心感を覚え、草原のほうへと向かいたくなりますが、草原から森を見ると、森のほうが暗いので不安になり、足が向きません。
この心理的な作用は、よく店舗の照明設計などで利用されています。店舗の奥が暗いとお客さんはなかなか入ってきませんが、奥が明るいと安心感を覚え、入りやすくなるからです。また、玄関やリビングに入ったときなど、前方奥が明るいと安心感が生まれるので、住宅などにも取り入れられています。
参照:STUDY HACKER
サバンナの行き止まり。足元の給排水管を隠す竹が奥ゆかしい。檜の一枚板が陶器ボウルを引き立てます。
リビング・ダイニング・キッチン&ちょっと小上がりの和室。「アイランドキッチンを採用して、かつ生活感が出ないようにしてほしい」と建主様からのオーダー。
実現するためにLDKには3箇所の扉付き収納を設けています。さらにキッチンから洗面所に行く間に2畳サイズのパントリーもあります。
回遊性が魅力のアイランドキッチン。2世帯なので動線がぶつからないアイランドは理想的です。
おこもり感のある置き畳の和室は、コタツを置きたくなりますね。
キッチンから全体を見たところ。突き当たりの奥が両親の部屋です。
前面を大きく取れませんが、LDKと両親の和室の前にはウッドデッキで開放的な広さを演出します。
1階の両親の部屋は2間。こちらも縁のない置き畳でスッキリ和モダン。
両親の部屋(洋室)。通風を促す縦すべり窓を2箇所に設けました。鈴木社長曰く「プレーリードックに学んだ」とのこと。プレーリードックの棲家は二つ穴が空いていて理想的な通風環境に工夫されているのだそう。
2階階段上部に天窓を設け、1階へと採光を促します。
大屋根の勾配を利用して、壁紙とともにロフト風に仕上げた2階主寝室。奥はウォークインクローゼット。