できるかぎり自然素材で環境負荷の少ない家をつくる小森工務店。そんな家を建てたいとずっと思っていた建主様。素材や工法を一緒に考えながら、子どもたちとのびのびと暮らせる家をつくリました。
小森さん曰く『好みの筋が通っている』建主様は、「耐久性やメンテナンスや光熱費など後々費用がかからないという点を重視して素材や工法を調べました。自然素材は時間が経つほど味が出てかっこよくなりますし、最後は自然に還るからいいですね。」
土壁、杉壁、版築など昔ながらの手法を積極的に取り入れながら、長期優良住宅の認定も受けた高性能なお住まいです。
家のこと
外壁の焼杉はもともと西日本や瀬戸内海周辺で使われていた材料で、表面を焼いて炭化層にしているため初期の着火性が低く、
キッチンの壁にはみんなで手形とシーグラス、貝を埋めました。カメは奥さん作、その他にイルカ、クジラ、トンボ、
薪ストーブの炉壁は版築仕上げといって、土と砂、砂利、石灰、
先日伺ってみて、家を建てた後も自分で薪棚を作ったり、
子供がおもちゃを落とした床のへこみも、
小森測
黒い壁の正体
外周部分は、今は出来る職人さんも少なくなった土壁。焼杉と杉板(ウッドロングエコ)で仕上げています。自然素材を得意とする小森工務店ですが、今回は更にご主人がいろいろ提案してくれたので新たな発見があったそうです。
焼杉至近距離。触ると柔らかいです。だんだん風化して剥がれて違う表情になっていくのが楽しみとのこと。この下が土壁です。
家庭菜園やダルマストーブのある庭は薪置場が塀の代わりになっています。ご主人の力作。
自然にかえる家
薪ストーブと版築の壁、杉の床と壁と梁、レッドシーダーの水回り、漆喰壁、羊毛断熱材など、家を構成するものは自然から生まれて自然に還るものを。
初めて拝見しました「版築仕上げ」。500kg分の土などの材料を突き続けて成形するという気の遠くなる作業。
杉床の傷も家族の思い出。「でもコマ回しはやめて・・・」と奥様苦笑い。蜜蝋ワックスを家族で塗装しました。
テレビ側の壁はすべて収納。梁までの高さは2200mmと全体的に低めの納まりにしています。
小森工務店作ウェグナーインスパイアー系子ども用ベンチ。子供の高さに合わせた座面高さで足置きもついています。完成度高いです。
「冬は薪ストーブで調理することが多いです。今日のピザはレンジですけど。」とご主人。
キッチンの食器棚の裏は玄関に続く大きなパントリー。
こちらがパントリー。収納力抜群かつホワイトボード付き。
キッチンの脇にスタディスペース。この部分は土壁を残してシーグラスと手形で家族の思い出を刻印。
リビングの横には、ご両親をいつでも迎え入れられるように一部屋設けました。
2階はフリースペースと居室が4つ。1階2階とも壁は杉板に押し縁。縦格子とともに縦のラインが印象的な内装。天井は木毛セメント板仕上げ。
吹き抜けに面した床がパカン!と上がって、下から登れるようになっています。「子どもたちが雨の日に発散できるように」と奥様からのリクエスト。
玄関からパントリーへ直結できる、洗い出し仕上げの土間玄関。
リビング入り口の引き戸は3種類のガラスを格子状に。杉と相まって懐かしい雰囲気がいいですね。
建主様よりアイディアを頂いた「タンク付きトイレが別々に見える仕上げ」。