明治30年竣工、築127年古民家のフルリノベーションのご紹介です。
60代の建主様が定年後にご実家に戻ることを考えたとき、新築する考えはまったくなかったそうです。生まれ育った愛着のある古民家をリノベーションして住みたいと願っていましたが、依頼先のあてがなく悩んでいたところ、いわき家ナビで丸徹住建の古民家リフォーム住宅を見つけました。
建主様からのご要望としては、幅約2尺(60cm)の立派な差し鴨居をはじめ、大径の木材をふんだんに使った構造を現しにしたいということと、塗り壁や一枚板など自然素材を使いたいということでした。「建主様の要望が具体的で、図面を何枚も描いてきてくれたので、建主様のご希望に合わせながら仕上げていきました。」と丸徹住建秋山社長。
今回は数年前にリフォームしたお風呂を除いて、約46坪ほぼフルリノベになっています。床材はナラとヒノキ、天井は杉、デッキ材はヒバなど無垢の木を合わせました。特に二間続きの大広間から続く縁側を現代的に再構築。「濡れ縁(外)」と「広縁(内)」の間のような、移りゆく季節を優しく感じられる心地よいテラスになっています。
古民家の趣を更に昇華させ、この先さらに100年住まうことができる家が完成しました。
1.127年の歴史に新たな息吹を
ビフォーアフター。柱と梁を残しほぼスケルトン状態にして土間コンクリート打設から施工。
漆喰と杉下見板張の外観。古民家の趣に縦格子のアクセントで和モダンなテイストをプラスしています。
玄関は正面は二間続きの広間へ、右手はLDKなど普段生活するスペース。古い建具と新しい建具の意匠を合わせています。建具は織内木工所が製作。
2.LDKはクラシックな雰囲気で
玄関を右手に入るとLDK。重厚感のある梁を活かして濃いめの色合いでまとめています。ステンドグラスの小窓の向こうは寝室。普段はこちらの側のスペースですべて生活できます。
構造体を現しにしたい建主様の気持ちがよくわかります。差し鴨居の黒と漆喰の白が見事なコントラスト。
LDKと大広間の間の可動式窓も製作。
正面がキッチン。左手にトイレ等水回りがありますが、壁を斜めに配して目隠しにしています。こちらに壁付けテレビを設置します。
キッチンの機能的なキッチンボードはオリジナル造作。
壁の後ろの通路まで雰囲気がありますね。
約8畳の主寝室。西側に面した寝室は、西陽を入れたくないとのご希望で窓をこの配置にしました。
3.大広間
二間続きの和室だったところを大広間に。奥の小窓からは・・・
隣の趣味部屋が覗けます。小さな窓が室内のあちこちに仕込んであり、部屋同士の連続感を生んでいます。
左手が玄関の引き違い戸、右手広縁に続くサッシはフルオープンになります。
なんとも心地よさそうなこの縁側は室内のようで半屋外。さらにL字型になっています。床は耐候性のあるヒバ材を使用。
ひなたぼっこ用ベンチでくつろぐ秋山社長。誰もが座りたくなる場所です。
大広間に隣接してこちらは趣味室として使う予定の部屋。欄間部分から採光。
廊下にも大胆に梁が走ります。
4.和の水回り
無垢材で仕上げられたトイレ。
洗面所はレトロな照明とタイルで。照明はすべて建主様が揃えました。