『「好き嫌い」と経営 』
『 好きなようにしてくださいーたった一つの「仕事」の原則 』
『「好き嫌い」と才能 』
スキスキ3部作と呼ばれている、一橋大学教授の楠木建さんの著作があります。本屋さんのビジネス書のあたりにあります。仕事は良し悪しで評価し、自分の好き嫌いで判断してはいけないということに、疑問を投げかけ、本当にそうでしょうか?好き嫌い、自分の好きなことを趣味にとどめるのではなく、仕事にしていくことがよりよい仕事の原動力やアウトプットになるのではないでしょうか。ということを3部作で様々な切り口から書かれている本です。「好きこそものの上手なれ」ということわざで、仕事の質や仕事の仕方などを評価する視点がおもしろく、ついつい3冊読んでしまいました。
■好きこそ家づくりの原動力
「浜通りな家づくりのコツ!」コラムでは、主に3つの視点で伝えていきたいと考えています。
1.自分らしい家づくりのコツ
2.浜通りな情報
3.快適性、自然素材、省エネ性等の家づくりの要素情報
自分らしい家づくりを考えるときには、「好き、好み」からはじめるのが大切です。
住まい手さんの洋服や食べ物などの好みは、今まで購入する際に研ぎ澄まされてきた感性やこだわりがあります。一方、家については、自分の好みを意識する機会が少なかったことも多いため、いざ、家づくりを始める際に、自問自答が始まります。ましてや、ご夫婦で好みが異なる部分もあるため、家づくりの過程では、いい意味で夫婦喧嘩が絶えません。家づくりの中では、様々な決断事項があります。間取り、素材、キッチンなどの住設機器、予算などなどもりだくさんです。一つ一つ決めていくことで、自分の好みやこういう家に住みたいのかということが明確になっていきます。
■好みやこだわりは、家づくりの最初から、遠慮せずに、どんどん伝えるのがコツ!
住まいは、その家族に応じた家づくりがあります。ご家族により、主導権を握るのがご主人か奥様かはそれぞれのパターンがあります。分野の傾向としては、ご主人は、趣味的な要望が強く、奥様は家事全般を通した利便的な要望が一般的です。
一方、お施主さんの「好み」は、千差万別です。つくり手のほうは、家づくりの打合せを通して、どの部分をこだわるのか、好みなのかを読み取っていかなければなりません。「好き、好み」を実現していくためには、つくり手へ伝えることが必要になります。
いわき家ナビ住まいの相談会は、コミュニケーションサポートとしています。それは、住まい手さんとのコミュニケーションを円滑に行うことが、好みやこだわりをより理解でき、実際に家をつくる工務店さんへ伝えることができ、理想の家が実現できると考えているからです。
好みの候補が数点ある場合でも伝えることで、専門家は、性能、予算、維持管理、デザイン面等を考慮してそれぞれの特性を伝え、おススメを紹介することができます。多面的な情報をもとに最終的に決断していくことになります。好みを伝え、決め、できあがると、家に対する愛着はとても高くなります。それは、快適な住まいの大切な要素なので、好みやこだわりは重要です。
■好きだけでプランニングしてしまうと、、、
好みが大切と書いてきましたが、好みだけでプランニングしてしまうとこうなってしまうのか、と思った経験が東京であります。
マンションのインテリア部分は住まい手さんの好みでつくり、骨格部分は共同でつくるシステムの建物見学会へ伺った時のことです。マンションなので限られたスペースの中に、おそらく家族4人で小さな子どもさんがいるであろう部屋にお施主さんの要望を詰め込みすぎるくらいつめた部屋がありました。部屋を細かく間仕切り、床下収納を確保するために段差がたくさんあり、カラフルな内装でした。
住まい手さんの要望をプランへ反映することを「売り」にするマンションだからかもしれませんが、20年後、30年後にはたしてこの部屋に住み続けたい、住み続けられるだろうか?というようにしか感じられませんでした。
■好き+時間+自然
家づくりでは、予算や土地などの諸条件のなかで、ご夫婦やご家族の要望をどのようにまとめ形にするかということが求められます。家づくりのプロセスでは、決断へ向けた悩みが尽きないので、悩みを解消していくための考え方のコツをまとめてみました。
・好きと嫌い
・たくさんの情報を得られる時代ですが、自分や家族が好きなもの嫌いなものの視点から、まずは、諸条件を抜きにして好きなものを選ぶこと。
・様々な制約上、異なるものをさらに選ぶ場合は、どの部分の好みは残していきたいかを考えながら選ぶこと。
・時間
・家、モノは、時間と共に古くなります。味わいがでることと、劣化・修繕することがあります。
・変化を予測しておきます。家、モノと共に、自分や家族が年をとり、家族構成も変化するということ。
・自然
・自然、四季の変化があります。日あたり、通風、暑さや寒さの変化があります。
・プランニング中の各部屋で、日中、夜間、春、夏、秋、冬、過ごすイメージをしてみてください。
こう書いてしまうと、当たり前なのですが、情報が多すぎて、シンプルにベーシックな部分が抜けてしまうこともあるなと感じるのでまとめてみました。
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住まいは一度建てたら、30年以上はだいたいその家に住むことになると思います。長い年月、住み続けられるモノの選定や間取り、空間構成とすることがお勧めです。私は、そういった意味で、できるだけシンプルなプランで少し和風、自然素材を多く利用し、断熱性能を確保することが、長い目でみて住み続けやすいと考え、日々デザインに取り組んでいます。
家づくりが始まったら、どのように好みを整理し、つくり手へ伝えていくための、より具体的なノウハウを次回紹介します。
環デザイン舎 北瀬幹哉
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