いわき駅前のイタリア料理店「La Stanza」の入るビル(昭和40年代竣工)がゲストハウス&ラウンジとして生まれ変わりました。名前は「FARO」、イタリア語で灯台を意味します。いわきを訪れる人のその先を照らす灯台でありたい、という思いが込められています。
\2020年4月24日 グランドオープン/(〜4/20までプレオープン中)
設計・施工のこだわりー環デザイン舎ー
ご両親が経営していた1、2階の店舗が閉店することとなり、その後の利活用を考えていた La Stanzaの北林代表より相談がありました。単なるテナント募集でいわき駅前の個性が失われることを懸念しており、女性や学生、海外からのお客さんが、低価格でいわき駅前に宿泊できる場所、地元食材を購入できたり味わえたりできるカフェなどができたらという要望がありました。そこでセルフリノベーションも視野に入れて、1階をカフェラウンジ、2階をゲストハウスへリノベーションすることとなりました。
平面的、断面的にも変形、変化ある建物なので、既存建物形状を活かした客室や水まわりのおさまりを考えた間取りとしました。また、保健所の許可が必要なので飲食店、簡易宿泊所の許可が得られるつくりとするために、間仕切りなどの位置を決めるポイントとなりました。
いわきの焼物「唯芳窯」による洗面器、いわき産の木材、無垢材家具ワークショップ、古材活用、四ッ倉の浜でみつけた流木を建具の引き手など、あるものを活かしながら旅行客にいわきらしさを感じていただけるよう工夫しました。
FACADE 外観
いわき駅から徒歩3分ほど。平駅前大通りと平本町通りの分岐点にその灯台はあります。濃紺のタイルが目印です。
ワクワクとした新たな予感を感じさせる店名ロゴは高木市之助氏。
外部にもちょっと座れるベンチを。これから様々なサインやインフォメーションが掲げられます。
GRAND FLOOR ラウンジ- Lounge –
入り口を入るとユアサミズキ氏によるいわきの案内イラストがお出迎え。
右手が2階ゲストルームへの大階段。1階手前は栃のテーブルを中心としたイベントスペース。奥がカフェスペースです。他にポップアップストアやレンタル書房など様々な使い方ができます。
内装は、天井は解体後の既存RC躯体の雰囲気がよかったことからそのままむき出し、壁は床やカウンターの無垢板や古材を際立たせるために、白色へDIYでお施主さんが塗装。以前の店舗の面影も感じながら新旧mixした居心地の良さがあります。
栃の一枚板テーブルは弊社正木屋材木店で製作。植物由来のレジン(樹脂)で仕上げています。
カフェスペースは朝食から昼食、アルコールまで提供しています。DIYでお施主さんが塗装。
こちらのブラックウォールナットのテーブルはワークショップで製作。一枚の長い板をカットしているので、用途に応じて繋げて一枚の大テーブルとして使うこともできます。(ワークショップの様子はこちら)
以前からあった大階段はそのままに、手すりなどは古民家から出た古材を再活用。客船の2階へ上がってゆくようなアプローチです。
階段から栃のテーブル方向を見下ろしたところ。小テーブルやスツールがランダムに配置されていて、自分だけのお気に入りの「居場所」が見つかります。
SECOND FLOOR ゲストハウス -Guest House-
階段を上がりガラスのドアの向こうは、ゲストハウスのラウンジ。ここからは宿泊者専用スペースです。
キッチン用品は全て揃っているので自炊も可能。
2㎡ほどの個室はいわき産杉など木質を利用したので無機質さはなく、内部には照明とコンセント完備。自分だけの世界へどうぞ。
窓際の一番見晴らしの良い場所は、コーヒー等飲みながらくつろげるよう窓台をちょっと大きめにしています。
30m道路の交差点を一望。まさにいわき駅前の灯台。
客室は天井高フルサイズの個室も2部屋あります。こちらも火山灰シラスの中霧島を施主がDIY左官で仕上げました。
常磐白水焼・唯芳窯に特注した手洗いボール。市内の鉄分の高い土を使った焼物は、いわきの空と海を表現した独特の青が特徴。1階のショップでもカップとして利用されています。電子レンジもOKの丈夫さとのこと。
共同利用の洗濯乾燥、シャワーブース、洗面所などを完備。
大胆に繊細に。このプロジェクトの代表「LA STANZA」の北林由布子さん。いわき駅前に賑わいを取り戻すべく、今後も熱い志で盛り立てていきます。
***FARO***(ゲストハウス予約もこちらから)
福島県いわき市平三町目8-2 やまとビル(いわき駅南口から徒歩5分ほど)
電話 0246-25-7188
Mail info@faro-iwaki.jp
HP https://faro-iwaki.jp