二世帯住宅で重要なのは、2つの世帯の「暮らしの距離感」。近すぎず、遠すぎず、心地よい距離感がカギです。木楽工房が建てたこちらの住宅は「心地よい距離感」を実現しました。生活空間は一緒なのに、ほどよくプライベートが保たれています。さて、この家にはどんな工夫が詰まっているのでしょうか。
「ほどよい距離感」の工夫は玄関から始まります。大きくとった玄関にはお母様用の出入り口があり、そのままお母様のお部屋へ行けるので、若夫婦に気兼ねなくお客様を招くことができます。お母様の部屋にはミニキッチンなども設置してあるので、簡単な調理やお茶などはゆっくりと自室で頂けます。
一方、2つの世帯を完全に分断しないよう、吹き抜けのある開放的なリビングダイニングをしつらえています。友人や親戚が集まるときなど大きく使えるように、和室とのつながりも重視しています。これなら、家族みんなで集まる大宴会やホームパーティにも対応できます。
また「無垢材や自然素材を使ってほしい」という希望も建主さまの想像以上に実現しました。床には無垢の幅広の杉を熱圧縮加工した「あつ密すぎ」を、壁には消臭・調湿効果の高いゼオライトを採用しました。
「木楽さんが『楽しく家を建てていきましょう』と言ってくれたとおり、打ち合わせや建築中も楽しみながら作ることができました」と建主さま。家族がお互いに気をつかいすぎることなく仲良く暮らせる「ほどよい距離感の家」が完成しました。
ダイニングの上は吹き抜け。床材は無垢感を存分に楽しめて素足に気持ちがいい杉材。縦格子の意匠も和モダンに効いています。
リビングとつながる和室。押入れの調湿性も考えて襖にスリットが入っているのがポイント。
自転車も収納できる大きな玄関は3つにゾーニング。左側がパブリック、中央がファミリー、右側がお母様の部屋に通じる入口。
お母様用玄関には収納できる椅子(左)。トイレも広めにとったバリアフリー仕様です(右)。
おばあ様用の部屋は2部屋。ミニキッチンスペース付の和室と寝室。
ダイニングの吹き抜け上部と階段周り。2階にも無垢材がいっぱいです。
2階の個室には収納がそれぞれ工夫されて設置されています。
アウトドアガーデンも楽しみたいとデッキを制作。洗濯物干しは外から見えにくい2階の右側部分。