常に最先端の高気密高断熱にチャレンジし続ける木樂工房。社員で工務等を担当している直井さんのご自宅が完成しました。建築のプロがご自宅をどう考え、プランニングし、実現したのでしょうか。
直井さんより
性能にはこだわりつつ、妻の要望をできるだけとりいれるようプランニングしています。妻からは①室内に洗濯物が干せるランドリースペース ②小上がりの畳で食事 ③小上がりから階段へ ④玄関は2way ⑤収納をできるだけ多くという希望がありました。
まず当社として「耐震等級3」「断熱性能HEAT20 G2グレード」「気密性能C値0.3」を基本仕様としています。断熱性能は使用する材料を検討、計算し今回UA値0.29に、気密性能としてはC値0.1になりました。一種換気+小屋裏エアコンと床下エアコンによる全館空調です。冬が来てどのように効いてくるのか実証・体感するのが楽しみです。
プランは、共働きの二人が家事をしやすいように回遊動線になっています。特にランドリースペースを大きくとり収納も設け、洗濯ができるだけ負担にならないようにしてます。キッチンも育ち盛りの子どもたちの様子が見守れる配置です。
素材としてはアカシアの床や、レッドシダーの壁材、屋久杉の外壁、アイアンなどを用いて、すっきりしつつも落ち着いたヴィンテージライクを目指しました。
1.邸宅感漂う外観
道路に平行に玄関ファサードを大きく伸ばした外観。外と中をゆるやかに仕切りながら庭や室内開口部のプライバシーを守ります。伸ばした部分の道路側は駐輪場、後が物置になっています。
玄関周りの木部は水にも強い屋久杉を使用。玄関ドアがちょっと奥まっていて出入りが見えないようにしています。
庭から建物を。夏は外付けロールスクリーンで遮熱します(1階)。
2.まずは家事ラク裏動線から
玄関を入り左手にあるシューズクローゼットは、居室からも直接出入りできます。
玄関から廊下を抜けると水回り家事動線が集結。お手洗い、パントリー、ランドリールーム、キッチンへと続きます。
こちらは3.5畳のランドリー専用ルーム。汚れ物や靴が洗えるスロップシンク付き。「2階吹き抜けに洗濯物を干したくなかった」とのことで奥様の一番のお気に入りスペースとなりました。洗濯物を畳んでそれぞれの収納へしまえるようカウンター収納を設置。
3.吹き抜けリビング
階段吹き抜けがあるので開放的なリビング。階段のアイアン手すりは、小さなお子様がいても安心な形状、かつ細くてスタイリッシュに仕上げました。
手前は小上がりのダイニングスペース。テレビの背面はレッドシダー貼り、床材はアカシアを使用し落ち着いた中にも温かみのあるヴィンテージライクな雰囲気を大切にしました。
4.小上がりダイニング
「ご飯は畳に座って食べたい」と小上がりのダイニングになりました。今は汚れ防止にカーペットを敷いていますが、その下は畳です。
キッチンからはリビングダイニングと家事ラク裏動線の両方に目を配らせることができます。
5.リビングと一体感のある階段
リビングに面したスケルトンの階段はあっという間に子どもたちの遊びの空間になります。
6.2階は個室が3部屋
階段を上がると左手にスタディースペース。今はぬいぐるみたちが鎮座しています。
子供部屋は出入り口が2つ、部屋はひとつ。大きくなったら間仕切ります。
7.超高性能と冷暖房方式の秘密
木樂工房らしさを全開に、UA値=0.29 C値=0.1と超ハイスペックな断熱気密施工がされたお住まい。空調は家庭用エアコンでまかないます。冷房は2階小屋裏のエアコンから冷風を自然に下ろすとともに、階間(2階床下)までファンで引っ張り、1階各部屋に届けます。暖房は床下エアコンからフロアのガラリを通して全館に行き渡らせています。
小さなモンスターの皆様が今日も子どもたちを見守ります。