いわき駅裏の旧城跡は、その名の通り旧磐城平藩のお城があった由緒ある場所。今回の建主様は、自分が生まれ育った馴染み深いそのエリアに家を建て、子育てしたいと考えました。希望学区内で土地を探したものの、入り組んだ土地柄のため物件がなかなか見つからず、そんな時現れた築9年と築浅の中古物件。目の前には丹沢公園の豊かな緑が広がります。木々の上に住むような絶好のロケーションが気に入り、「中古物件を購入してリフォームして住む」という新たな選択をしました。
サーフィンが趣味のご主人は、「アクメというアメリカの家具メーカーが大好きなので、そこの家具を基準にL.Aやカリフォルニアの雰囲気で、自然素材でまとめたい。」とはっきりとしたイメージがありました。設計デザインは、仕事を通して既知の間柄だった環デザイン舎の北瀬さんに依頼しました。
「ネットなどで好みの素材、商品等をセレクトし写真など資料をたくさん送ってくれたので、意図するイメージがつかみやすく、スムーズにリフォーム内容をまとめることが出来ました。築浅で構造上特に問題がなかったので基本的なプランはほぼそのままとし、 予算の中で最大限にお施主さんのイメージを具現化するため、自然素材の内装、ロフトへの箱階段家具の設置、キッチンとユニットバスの交換、外装の塗替えが大きなリフォームポイントになりました。」と北瀬さん。
「要望がすごく多かったと思うんですが、北瀬さんは全部聞いてくれた上で的確に取捨選択してくれるので、納得してリフォームを進めることができました。」とご主人。
温かみのある自然素材の雰囲気と窓からの美しい景色と相まって、「お城山のカリフォルニア」といった趣の仕上がりとなっています。
リフォーム前。主に新建材など既製品が使われていました。
床材は家具に合わせたブラックチェリーの無垢フローリング。梁や造作家具の色も赤みのあるダークブラウンで揃えています。
キッチンからリビング全景。以前は黒と白を基調とした無機質モダンな雰囲気だったことがまったく感じられません。
ダイニングの窓は2面採光になっていて明るさの面でも借景の面でも効果的。
今まで物置と化していたリビング上のロフトに箱階段を組み合わせ、子どもたちが遊び回れる空間をつくりました。箱階段は収納とテレビ台を兼ねています。手摺と格子で小さなお子様の落下にも配慮。
収納ではもったいなかったロフトを再活用。
洗面台は従来のものを表面を貼り替えて再利用しコスト削減。
外と中がつながるような、質感の高い耐候性のある木製デッキを設置。公園の景色を独り占め。
1階は個室が2つ。床材と一部クロスなど最小限のリフォームに抑えました。
リフォーム前の外装。各所に経年劣化がみられました。
外壁はもともとは白でしたが建主様のこだわりのダークパープル色で塗装。深い緑と青い空とも好相性です。
遠くに海…までは望めませんが「自分のイメージを的確に伝える」ことにより思い通りの家になりました。