今回は、1年ほど前に完成した、ライフデザインが手掛けた美容院「amu HAIR(アムヘアー)」をご紹介致します。地名は走熊字鬼越、一度聞いたら忘れなさそうなインパクトのある地名です。鹿島街道から少し路地に入った緑豊かなこの場所で、オーナーのこだわりが詰まった店舗となっています。
ライフデザインでは、これまでもいくつか美容院を手掛けており、店舗設計の実績とノウハウがあります。それでもやはり新しい挑戦の連続だそうで「毎回勉強させてもらっています」とライフデザインの樫村さん。
土地の方は先にオーナーの方で決めており、建物を建てる会社を何軒か回った末に行き着いたのがライフデザインだったそう。「予算的にかなり無理を言っても、『出来ます!』と前向きに回答していただけたのでお願いすることにしました」とオーナー。実際に打ち合わせが始まると、「開放感は欲しいけれどガラリとしすぎて欲しくない」などの自分の様々な要望に対し、毅然とした建築のプロの意見が返ってくることに、分野は違えど同じ「つくり手」として感動したそうです。
完成後、「これは想定していなかったので驚きました」と、盆栽にも興味があるオーナーが一番気に入ったのは、窓から切り取った借景の緑の美しさでした。
無機質と、無垢と、植物が絶妙な調和を見せる、お客様の心地良さまでもデザインされた美容室をどうぞ御覧ください。
1. 植栽に彩られた外観

最初に目に入るのは素敵な植栽。ライフデザインの事務所のすぐ隣にあるGROUND WORKS DESIGNさんで施工しました。駐車場からの動線を華やかに彩ってくれます。

外観全景。店舗の入り口は敢えて道路と反対側に設けることで、通り過ぎる車からの視線からお客様を守ると共に、施術中のお客様から見える景色にこだわりました。植栽が良い仕事をしてくれています。

道路側にはロゴを設置。「amu HAIR(アムヘアー)」の由来は「人と時を髪を編むように紡ぎたい」という思いから名付けたそうです。
2. 借景を額装したエントランス

玄関を入ると、開放感のある吹き抜けスペース。額縁で切りとったような雑木林の借景が圧巻で、オーナーも「一枚の絵のように見えて素敵なんですよね」と大満足。

1階レセプションは、薄い木片を圧縮して製作されるOSB合板と、樹脂モルタルを中心に施工し、素材感あふれるスタイリッシュな風合いに。商品が美しく見える棚のレイアウトにもこだわりました。

オーナーの大谷さん。ズバリ得意なカットは「ショートカット」とのことですが、話上手なオーナーが、お似合いの髪型を引き出してくれることでしょう。

階段下のデッドスペースは、ご来店いただいたお客様の荷物をしまうクローゼットになっています。

洗面台はマットブラックをチョイス。統一感を持たせるために、正面の壁のOSB合板は黒く塗装して仕上げました。
3. 1階施術エリア

1階の広いカットスペースの中心には植物を飾り、ラウンド動線に。少人数で始める際に、将来的に席数を増やすことができるようにとのことで、こちらの配置が採用されました。

カット中も大きな窓からエントランスの植栽を眺めることができます。

シャンプースペースは窓を高い位置に設置することで、気になる外からの目線に配慮。照度を落としてお客様が安心して横になれるようにしています。

奥のスペースはスタッフの控え室と倉庫になっています。ここまで手を抜かずにデザインされています。

取材時には夕暮れどきの優しい光が差し込んでいました。
4. 2階店内

オーナーお気に入りの2階のカットスペース。休日に腰掛けながら窓の外を眺めている時間がなんとも言えない至福のひとときなのだそう。

1階のOSB合板の木質な雰囲気とは異なり、2階はモノトーンで大人なテイストに仕上がっています。アシンメトリーな鏡のチョイスも素敵です。

2階からエントランスとレセプションを。どこからでも様になる店内。

オーナー(中央)とライフデザインの箱崎さん(左)・樫村さん(右)。オーナーには、店内を少しずつカスタムしていきたいという野望があるようで、これからも楽しみな美容室です。

amu HAIR
住所: 〒971-8141 福島県いわき市鹿島町走熊鬼越10-1
電話: 0246-85-0295
営業時間:9:00〜18:00
定休日:火曜日・第3月曜日
HP:https://www.iwaki-amuhair.com