二世帯住宅を建てるにあたり、「生活空間は分けても、お互いの気配を感じられるようにしたい。」という若夫婦。そこで今回は玄関を共用とし、居室も水周りもはそれぞれ別々というプランにしました。家のほぼ真ん中にある玄関を中心に左右に世帯を振り分けています。
玄関を共用にすることにより、それぞれのリビングを開ければ、お互いの様子がわかります。まだお子さんが小さいので、学校から帰ってきたらお祖父様とお祖母様がいらっしゃるので何かと安心。子どもたちも両方を自由に行き来しています。お互いのプライベート感を大切にしつつも、お互いが助け合う理想的なカタチが実現しています。
それぞれの世帯のプランニングも、ご要望と使いやすさを合わせてプランニングされています。若夫婦の方は広々とした空間を希望されていたので、1階には キッチンから抜け感のあるダイニングキッチンを。2階は勾配天井を現しにして、天井高のある大空間に子供部屋と主寝室を配置。ロフトも付いて子どもたちは大喜びです。
祖父母世帯は、足腰に負担がかからないように居間に掘りごたつテーブルを設け、また、お風呂やサニタリー、トイレなど水周りと寝室を近づけて、なるべく動線を短く簡潔に身の回りのことや家事が出来るようにしています。
両世帯が付かず離れず行き来できて、お孫さんも大好きなおじいちゃんおばあちゃんと過ごせる、理想的な関係が保たれています。
1.共用の玄関
こちらが家の中心にある共用の玄関。左手が祖父母世帯、右手が若夫婦世帯です。
玄関の前には便利なウォークインクローゼット。コートなどここに仕舞えるとリビングが乱雑になりません。
2.若夫婦のLDK
桧のフローリングが直線に伸びることにより、ヌケ感が感じられるLDK。天井の現しの梁と杉の腰壁で和モダンに。
キッチンから一直線にLDKを見渡すことが出来ます。壁は漆喰仕上げで自然素材に包まれています。
東側の窓も大きく開けて午前中の爽やかな光を取り込みます。
漆喰の壁の一部を磁石対応の壁に。隣の漆喰壁と同じ色で一体化させています。
若世帯側から玄関と祖父母世帯側を見たところ。
3,祖父母世帯は落ち着いた和のしつらえ
雪見障子もしつらえた堀こたつの居間。奥がダイニングキッチン。
仏壇と神棚のある和室と二間続きになっています。こちらは廊下にも面しており客間としても使用します。
寝室から出入りできるサニタリーとお風呂。移動距離をできるだけ少なくして生活を楽に。
4,2階は勾配天井を活用した若世帯の居室
階段踊り場。真壁造りで柱も現しになっているので、構造がひと目でわかり、子どもたちにとっても楽しい空間。
廊下に節の人形を飾れる場を設けました。
主寝室にはご主人用と奥様用とそれぞれウォークインクローゼットがあります。
現在は1部屋として使っている子供部屋。ロフト部分は子どもたちの格好の遊び場。それぞれの収納も充実しています。
5,外観と外構
淡黄色の外観が上品なイメージ。庭の手入れが楽なように土面はなくしつつ、ガーデニングが楽しめるよう部分的に植栽スペースを設けています。
余裕のある横幅でÙ字にしたアプローチ。
「外からも木の温かみが感じられる家にしたい」とのことで耐候性があり腐食に強いセランガンバツを外周に採用。外からの視線を遮る役目をしつつ、竹林の緑とあいまって周囲に優しい印象を与えています。