今回ご紹介するのは、江尻建築が手がけた、地方での理想の一人暮らしを体現した平屋のお住まいです。
首都圏から地元のいわきへ帰ってくることを決めたものの、慣れた一人暮らしから実家暮らしへ戻ることはあまり考えられなかった建主様。実家近くにお父様がちょうど良い土地を所有していたことが後ろ盾となって、マイホームを建てることを決心しました。
しかし、いざ家を建てようと調べてみると、新築工事を手掛けている会社はファミリー層をターゲットにしていることが多く、一人で行っても相手にされないのではないかと不安になったり、また、自然素材に囲まれた暮らしをしたいという希望もあり、どこが対応してくれるのか、どこに頼んだらいいのか悩んでいました。
地元の知人に相談したところ、いわきで長く工務店を営んでいる「江尻建築」を紹介され、モデルハウス(雨楽な家・童話のような家)の雰囲気が気に入り、工事をお願いしてみることにしました。江尻建築の2つモデルハウスは「和モダン」、「欧風古民家」と異なるテイストですが、建主様が両方気に入っていることもあり、いいとこ取りしながら約22坪の平屋に落とし込みました。一人暮らしのライフスタイルに寄り添いながら、自然素材溢れる落ち着いたお住まいを是非最後までご覧ください
1.外観
ジョリパッドの塗り壁に洋風な瓦を組み合わせた外観。表情豊かな質感もさることながら、耐久性においても優れた性能を発揮します。
2.エントランス
玄関正面。軒天に意匠を施し、玄関扉・庇(ひさし)と色を合わせることで統一感のある仕上がりに。
引き戸を開けるとチェッカーガラスの扉が可愛らしい土間玄関。
お父様の家庭菜園用の道具をしまうことができるように広めに設計しています。
3.小上がりのあるリビングダイニング
リビングに入ると明るい光が差し込んでいます。天井は杉の羽目板、壁には漆喰に樹脂を混ぜた「ヒッキーウォール」というものを使用しています。樹脂を配合しているおかげで密着性が高く厚塗りが可能で、メンテナンスも簡単なのだとか。
リビングには4.5帖の小上がり和室。こちらは椅子での生活に慣れないご両親が遊びに来た際に活用予定とのこと。小上がり下部は収納力たっぷりの引き出しになっています。
小上がりにはクローゼットもついています。
リビングダイニング全景。床板には地域材を加工して製作されている「あつ密すぎ」を採用。杉に加圧加工を施すことで、足裏に感じる温もりを残しつつ、傷のつきにくい仕上がりに。
建主様のご要望でリビングダイニングは、全ての部屋へアクセス可能な配置になっています。
こちらは無垢材でつくられた壁付けの飾り棚。大好きな推しのグッズを飾る専用スペースになるのだそう。どんなレイアウトになるのか見てみたいですね。
4.キッチン・水回りスペース
造作のカウンターテーブルの奥はキッチンなどの水回りスペース。奥の道路に面している奥側の窓は、目線が気にならないような種類・高さを選んでいます。
キッチンのサイドにはケヤキの板でニッチスペースを。
キッチン奥には買い物の回数が少なく済むように、大きな収納棚を設けて買い置きスペースに。建主様のご希望でなるべく家具を置かなくて良いように住まいの各所に収納がレイアウトされています。
洗面スペースにも大きめの収納棚を設置。廊下にもクローゼットを設けているので収納で困ることはなさそうです。
5.主寝室〜WIC
リビングのお隣には6帖の主寝室。朝起きてから短い行動範囲で身支度が完結するのは嬉しいですね。
各部屋の窓枠は、サッシが隠れるように塗り壁を延長するとともに、角に丸みをつけて優しい雰囲気に。細かな一手間が全体の雰囲気に大きな違いを生んでいます。
主寝室奥には4帖のウォークインクローゼット。全面杉張りで脱臭・調湿効果バッチリのこちらは、棚を上に、ハンガーラックを下に設けることで、かがまずに物を取れるように工夫されています。
6.ロングライフなウッドデッキ
最後はウッドデッキをご紹介。家庭菜園を楽しむお父様のために設置されたこちらのデッキ、セランガンバツ材という耐久性・強度に非常に優れた材料でできていますのでほぼメンテナンスフリーで安心です。
最後までご覧いただきありがとうございました。