築70年前後の平屋を数年前に大手の別会社でリフォームしたものの、2022年の地震の影響で所々に被害が出てしまった建主様。動線や使い勝手にも問題があったため、次は信頼できる地元の工務店にお願いしようということで、10年以上前から貸家の修繕などでお付き合いのあった江尻建築へお願いして2度目の大規模リフォームを行いました。
現在すぐ向かいには息子さん夫婦のお住まいがあり、最初のリフォーム時には取り壊して二世帯住宅にするか迷ったそうですが、亡きご主人のこだわりが詰まった場所を壊してしまうのは心苦しく、家の大枠をそのままに今のライフスタイルにあった形へと変更しました。
1度目のリフォームの際に直した箇所のうち、そのまま使えそうな箇所は多く残しつつ広いLDKを中心とした構造へリフォーム。どこを直したのか分からないほど自然な仕上がりで、明るく使いやすくなった我が家に奥様も大満足のご様子です。
1.エントランス
玄関からはリビング(正面)と、向かって左側のフリールームへアクセスできます。お孫さんがいらっしゃる際は、 直接玄関から行き来でき、ぐるっと回っていた以前の動線に比べてかなり楽になったそうです。
玄関を入って右側に新しく下駄箱を設置しました。下駄箱は木目が素敵なタモの無垢材で製作されていて玄関の格を上げています。立派な梁は約55cmもあるそうです。
撮影日はあいにくの天気でしたが、玄関からは管理が行き届いた素敵なお庭を眺めることができます。
2.リビングダイニング
太い柱や梁など構造材は以前から使っていたものをそのまま残し、その色に合わせて家具や建具を配置しました。和風な感じをしっかりと残しつつ、現代的な使いやすさを加えて、バランスの取れたお部屋に仕上がりました。
奥のキッチンがある場所は以前は物置きとして使われていたそうです。壁には湿気を調節してくれる漆喰が使われ、リフォーム部分には新たに断熱材を入れたため、温度・湿度共にかなり快適になったそう。
こちらのお住まいは南北に長いのに、お部屋が明るいのが特徴的で、これには江尻建築が仕掛けた秘密が隠されています。キッチンのコーナーでご紹介します。
LDKの中央の横木には溝が彫られていて、以前は鴨居として使われていたことが分かります。「昔はここで仕切られていて、居間に掘りごたつがあったよね…」とリフォームだからこそ残せる、思い出の場所になっています。
奥様が以前から居室に使われていたフリールーム。以前は動線的に奥まった場所にあり、暗く閉鎖的な印象を持たれていたそうですが、天井を上げて、玄関と繋がったことで、お孫さんと遊ぶための賑わいあるお部屋へと変身しました。
3.キッチン〜収納
奥様こだわりのキッチン。お部屋が明るい秘密は新しくつくった天窓にありました。以前のキッチンは北西の角の暗めの場所にありましたが、奥様の希望で明るい家の中央部分に作り直しました。対面キッチンで家族の顔を見ながらご飯支度ができるのは嬉しいですよね。
キッチンとリビングの2箇所に配置された天窓。明るくなって気分良く過ごせるようになったそうで効果は抜群です。
以前台所のあった場所は、約10畳の収納部屋になりました。食料品から日常品、趣味のものまで全部収納できます。奥にはアイロン台がけもできるカウンターがあります。
4.神棚もリフォーム
立派なお社を飾る神棚周りも新しくしました。両サイドに物入れを造作して少しモダンな印象に。