アウトドアやキャンプが大好きなご夫婦が家を建てるにあたり最重要視したのが「家の性能」。外では自然を存分に味わい、家では暑さ寒さにとらわれず快適に過ごしたいと依頼先を探し辿り着いたのは、先進的に断熱に取り組み、いわき市で唯一「パッシブハウス」を手掛けている後田工務所でした。
断熱UA値0.25W/㎡・K 気密C値0.15c㎡/㎡とパワーアップした施工精度に加え、今回後田工務所としては初めて冷暖房と熱交換換気、除湿、空気清浄を一体化したゼンダー社の「コンフォーム」を採用。約10畳分の冷暖房能力で35坪の家全体の室温と空気環境を一年を通して快適に保ちます。更に5kw太陽光パネルと電気自動車のバッテリーに貯めた電力を家の中で使用できる「V2H」も導入。昼間は太陽光パネルからの電力でお湯を沸かしたり、夜は車に貯めた電気が使用できるようになっていて、省エネと省ランニングコストのさらなるレベルアップを図っています。3月の電気料金は、電気自動車の充電を合わせても11,000円とのことで驚きです。
一歩先をゆくパッシブで最先端な設備が近未来を感じさせますが、室内はキャンプがご趣味の建主様がほっと和むような無垢の木が設えられていたり、建主様の要望を100%取り入れた完全オリジナルのキッチンや造作家具など後田工務所らしいセンスももちろん健在です。
「家の中では心からくつろいで欲しいという思いでデザインや設備の研鑽を重ねています。その結果環境負荷やランニングコストが減らせてお客様の幸福度が上がってくれれば嬉しいですね。」と後田社長。
今年は新たなプロジェクトも進行中とのことで、ますます後田工務所の進化から目が離せません。
1.外観〜2WAY土間玄関
ガルバリウム鋼板の箱型の平屋に、軒下を大きく取ったエントランス。右手にあるのはニチコンの蓄電システム「V2H」。
玄関を入ると2WAYになっている土間。左手がシューズクローク&収納、右手はリビングへと続きます。
2.自然を感じるLD
土間のあるリビングダイニング。大きな土間が冬場は太陽光を蓄熱します。
天井は建築下地に使う杉の野地板を現し(あらわし)で張っています。幅がまちまちですが、アウトドア好きの建主様のためにあえてワイルド感のある材を選定しました。
キッチン側から玄関方向。テレビのある壁の上部に謎の2つの穴発見!?なんとこちらはエアコンの送風口です。こんなところにも近未来を感じます。
3.キッチン自由自在
ナラの木目と5mmの極薄ステンレス天板が美しい造作キッチン。廊下を挟んで奥にはパントリー。造作キッチンはキッチンバックまで建主様と持ち物や道具など入念に打ち合わせをしてミリ単位で収納を合わせています。
スッキリ好きなものだけを出しておける背面収納。グリーングレーの絶妙なタイルと間接照明でおしゃれ感満載。
アウトドア好きの御夫婦が家の中でも外の雰囲気を感じられるようにとリビングとつなげた土間玄関と大きな窓。窓の外には夏場に直射日光を防ぐ外付けロールスクリーン。
4.生活家事動線
2WAY玄関のこちらはシューズクローゼット側。アウトドアのギアがすべて収納できるように右側の棚は奥行き60cmあります。
シューズクローゼットを抜けると右側にリビング。左側に生活動線が続きます。
玄関〜シューズクローゼット〜ウォークインクローゼット〜洗面と流れるような動線で家事効率アップ。
こちらは約2畳のパントリー。まだまだ余裕があります。
裏動線の行き止まりを曲がると・・・個室が2部屋と蔵書用に棚を設けています。その隣は掃除用具入れ。
5.ハイテクノロジーで叶える快適な暮らしの秘密
クローゼットの上部に今回後田工務所が初採用した熱交換換気とエアコンが合体したゼンダー社のコンフォーム本体。
専用のパネルで発電、蓄電、消費電力が一元化され、エコライフが一目瞭然になっています。
「このセンサーで温度、湿度などを計測しています。そのデータが「コンフォーム」に送信され、常時フルオートで室内空気環境がコントロールされています。」と後田社長
所有する車2台のうち1台を電気自動車にして、太陽光発電と合わせて蓄電や建物へ送電を行っています。停電時は車のバッテリーから建物へ電気を供給することが可能。
庇を出さず、外付けスクリーンで日射を調整するのもパッシブハウスの特徴です。冬は太陽光を取り入れ、夏はスクリーンで日射を遮ります。
「冬はタオルケット一枚で寝ていました。室温は外出先からも調整できるし本当に快適です。」と性能にはとことんこだわりたかった建主様の夢が叶いました。